
ブログ#307 デジタルサイネージとWBC
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で侍ジャパンが快進撃を続け準々決勝に駒を進めた。投打共に過去最強と言われる今回の侍ジャパンであるが、まさに世界最強と言っても過言では無いメンバーがラインナップしている。ファンの人気投票で大谷翔平選手を抜いて堂々の第一位に輝いたのが、ラーズ・ヌートバー選手であった。カージナルスに所属するラーズ・ヌートバー外野手は、日系外国人選手として、初の侍ジャパン入りとなる。ロサンゼルス生まれの日本語はほとんど話せない生粋のメジャーリーガーで、WBCが始まるまでは、その存在を知る野球ファンは少なかったのではないか。ところが、ヌートバー選手の日本名の「榎田達治」から、チームが専用の「たっちゃん」Tシャツを用意し、大谷翔平が「ペッパーグラインダー」のパフォーマンスでヌートバー選手を熱烈歓迎したことから知名度が急上昇。試合が始まると、誰よりも熱の籠ったプレーでファンを魅了した。ヌートバー選手の登場に「ヌ~~~~!」と響く、ブーイングならぬ“ヌーイング”が起こるほどの人気である。プレイも他の選手を応援する表情も魅力的な選手だ。
強化試合から、本戦での4戦、多くの選手が魅力あふれるプレーを披露してくれた。素晴らしいプレイを挙げたらきりがないが、私の心に残った2つのプレーは、韓国戦5回表のヌートバー選手ダイビングキャッチである。「まさに日の丸を背負った侍」というべきファインプレイであった。そしてもう一つは、3月11日のチェコ戦に先発した佐々木朗希投手である。昨年4月10日に完全試合を成し遂げた21歳の怪物である。佐々木は66球を投球し、最速164キロの剛速球と鋭く落ちるフォークを武器に8奪三振の山を築いた。佐々木朗希は9歳の時に東日本大震災で父と祖父母を亡くしていた。これまで震災については多くは語らなかったが、この3月11日の登板に掛ける「故郷・陸前高田への熱い思い」が感じられる投球であったと思う。
実は私も、2013年のWBCの開幕セレモニーの映像演出を担当したことがある。どちらも東京ドームでの開催であった。予選ラウンドは対戦相手が決まっているので、予め各国の選手映像を編集して準備できるのだが、決勝ラウンドになると、その日の試合の結果を受けてからの編集が始まる。夜テレビ局に映像素材を取りに行き、東京ドームシティーホテルに戻って編集、翌日の試合にオーロラビジョン(球場のデジタルサイネージ)に映すという、ハードな日々が続いたが、もう10年前なので当時の記憶すら曖昧になっている。東京ドームのオーロラビジョンも昨年改装され、綺麗なLEDビジョンになった。W125.6×H7.5mで12,560×750ピクセルの12Kサイズである。当時はHDだったけど、それでも大変な作業であった。今、12Kでコンテンツ制作している人たちは本当に大変だと思いながら、今年はのんびりとテレビ観戦で応援をしていきたい。かんばれ!侍ジャパン!
March 16th, 2023 Toyosaki’s blog