
ブログ#290 「デジタルサイネージ広告は戦国時代へ」
私の持論だが、デジタルサイネージ業界は「戦国時代」に突入したように思える。もともとデジタルサイネージの普及率は年々増えていたが、コロナウイルスの感染拡大で、この2年間は伸び悩んでいた。しかし、今年の春頃から市場が回復し始め、勢いが増してきている。そして私が如実に感じているのが、デジタルサイネージ業界へ参入を始めた企業が多いことである。
ひとつの理由としては、コロナの影響で「映像業界」が大きな痛手を受けたことである。特にコンサートやイベント、展示会など、これまで、映像制作の大きな市場であったものがストップしてしまったのだ。一時はライブ配信やハイブリットイベントなどで、凌いでいた時期もあったが、圧倒的な市場不足によって倒産する会社も多く聞く。
その市場の矛先となってきたのが「デジタルサイネージ市場」である。これまで日本のデジタルサイネージ市場は、ハードの部分であるディスプレイの販売や設置、配信システムの構築などが優先されてきた。海外製の安価なディスプレイが増えてきたので、価格も下がり販売面でも「戦国時代」といってよいだろう。しかし価格でしか勝負できない販売会社の利益は、売上の数%しかない状況と聞く。
そこで問題になってくるのがコンテンツ不足である。このコンテンツ市場に「映像制作会社」が参入を始めている。販売会社とタッグを組んで「デジタルサイネージ&コンテンツ」のパッケージ販売が目立つようになってきた。「映像制作会社」も生き残りをかけた「戦場」を「デジタルサイネージ市場」として勝負をかけてきたのであろう。
しかし、コンテンツの部分でも「価格勝負」が起こり始めている。ハードであれば「価格」やアフターサビスなどで決めることも良いであろう。しかしコンテンツが「価格」だけで決まってしまったら、良いコンテンツは撃破されてしまう。業界全体で下げてしまった価格は、もう上がることはない。私の戦術はひとつのみ。同じ価格で数倍良いコンテンツを制作することである。それしかこの「デジタルサイネージ戦国時代」に勝ち残る術はないのであろう。
May 29th, 2022 Toyosaki’s blog