デジタルサイネージのコンテンツ制作ブログ
【電子看板・見聞録】

デジタルサイネージの最新技術開発

デジタルサイネージには多くの最新デジタル技術が詰まっている

デジタルサイネージは通常のモニター・ディスプレイにメディア・プレーヤーや
配信プログラミングソフト、ネットワーク機能など、最新の映像技術がいっぱい詰まっている。
デジタルサイネージ単体でも、充分にデジタル技術の固まりである。
そこに通信技術や、AI技術、ディスプレイ開発の技術などが発展しながら進化を続けていく。


日々進化する最新の技術や製品開発などを様々な角度から考えてみる

ここでは近年開発されたテクノロジー、インタラクティブやタッチパネル、ARやAIなど、
すでにデジタルサイネージに採用されている最新技術、今後採用される最新技術など、
デジタルサイネージにまつわる新たなテクノロジー開発の可能性を探っていく。

市販されているディスプレイは「デジタルサイネージの比較と購入のポイント」を参考にしてほしい。


No.026 最新の通信技術「5G」

No.026 最新の通信技術「5G」

 最近5Gという言葉を多く聞くようになった。新たな通信テクノロジーの名称である。5Gの「G」とはGeneration=世代の略で、つまり5Gとは“第5世代“を意味し、より正確には「第5世代移動通信システム」となる。当然これまで1G(1985年開始)から現行の4G(2015年開始)まで様々な歴史があるが、この5Gが飛躍的な進化を遂げるらしい。

 5Gの特徴は大きく3点。1つめは速度で、現行の4Gの20倍から200倍。2つめは,多数同時接続でこれも10倍になる。3つめは超低遅延である。「遅延」とは通信回線により画像表示の遅れである。すでに世界では5Gを導入している国も多くある。日本でも2020年春頃から5Gのサービスが開始される予定である。この5Gというテクノロジーの可能性は、もちろんデジタルサイネージのコンテンツ配信にも役立つことは間違いないだろうし、映像関係のデータは重いので送信時間が短縮できることはありがたい。しまし今は、新型コロナ・ウイルスの拡散を止め、収束に向かうツールとして、そして医療の最前線でウイルスと戦い続けている医療関係者の負担が少しでも軽減出来る事を最優先に使われることを切に望む。

May 2nd, 2020 Toyosaki’s blog


No.028 デジタルサイネージとAR技術開発

 ARのテクノロジーが脚光を浴びたのは数年前になるが、最近ではAIに押されて影が薄くなっている気もするが、まだまだ可能性のあるテクノロジーである。AR(Augmented Reality)とは「拡張現実」と呼び、実在する様々な情報にデジタル化された架空の情報をプラスした状態を意味する。デジタル化された情報というのは、動画、静止画、文字情報、音声などが代表的だ。これに対しAIとは簡単言えば人工知能だ。AIの詳細については後日書こうと思う。ARの成功した代表的なプロジェクトは2016年に流行したスマートフォンのGPSとカメラ機能とを活用したAR型のゲーム「ポケモンGO」であろう。私の回りでも老若男女と問わずはまっていた。ちなみに私はやっていない。

 そしてデジタルサイネージにもAR技術は採用されている。それまでの動画や画像の表示のみだったデジタルサイネージにAR技術を取り入れられることで、より多くの人の注目を集め集客や販促の効果が上がってきているというデータもある。たとえば、アパレル関係でカメラがつけられたモニター画面の前に立つだけで、選んだ服の試着ができるデジタルサイネージ。着物やドレスなど、試着に時間がかかる衣類であっても画面の前に立つだけでイメージがわかるので、ブライダルサービスなどにも導入されている。また、インタラクティブなデジタルサイネージも登場しており、モニターディスプレイの前で身体を動かすことで、顔認識、行動認識といった技術を利用し、映像の中の人間の動きに合わせて何らかの映像をリンクさせ、まるで自分が映像を動かしているような錯覚を与える。このようなデジタルサイネージはテーマパークやショッピングモールのエントランスなどで、話題作りや集約に効果があるだろう。ARを取り入れることで、デジタルサイネージはより一層、人々の興味や関心をひくものになっていくことだろう。

 今後は、匂いや質感といった情報を持つAR技術など日進月歩の勢いで発展しており、AR技術を取り入れることで、デジタルサイネージはより一層、人々の興味や関心をひくアイテムになっていくことであろう。ピクトパスカルでもARを導入したデジタルサイネージのコンテンツを制作する技術はあるのだが、時間とお金がないので今は着手しない。大企業が出資してくれるなら話は別だが期待はしていない。

May 15th, 2020 Toyosaki’s blog

No.028 デジタルサイネージとAR技術開発

No.029 デジタルサイネージとAIテクノロジー

No.029 デジタルサイネージとAIテクノロジー

 今、注目を集めている最新のテクノロジーであるAI(Artificial Intelligence)とは、人間の認知や行動、判断の一部をソフトウェアが分析して人工的に再現したものをいう。多くの情報から学び、新たな情報入力に順応することを蓄積して、まるで人間が行うように柔軟かつ、最適な振る舞いを高効率に実現できるという。では、このAIをデジタルサイネージに導入したらどんな事が可能になるのだろうか。今まではプログラムベースで表示していたコンテンツを、人間の属性(人間が持つ情報)に応じて変化するコンテンツ、データ解析による新たなコンテンツの発信、音声認識によるコミュニケーションなど、今までにないデジタルサイネージのあり方を創造することが出来るはずだ。テクノロジー的には「キャプチャリング」「セグメンテーション」「オートメーション」の大きく3つに分かれている。

 キャプチャリングは視覚センサーで、デジタルサイネージを見ている人や店のウインドのカメラなので、店に入る時に自動的に性別、年齢、感情などをキャプチャリングして、データベース化していく技術だ。セグメンテーションは様々なセンサーにより集められた情報を、決められたルールに則ってAIが自動的にセグメントし、ターゲットに合わせて行動する技術で、様々な分野に応じて、顧客ごとに適すると思われる的確な情報を提供することが可能になる。オートメーションはAIで個々の見込み顧客が持つ価値を予測し、その価値に準じて点数化することで、ユーザーの意志に沿った情報や改善点の提案などが行えるという。

 具体的にはセンサーで年齢・性別を自動判定し、セグメントされた広告を動的に表示する。受付のデジタルサイネージでお客様の顔を認識・認証を行う。監視カメラの映像を認識分析し、不審者の検出を行う。表情分析により表示されているコンテンツへの人間の反応をデータ化する。超音波やミリ波センサーの情報を活用し、AIによる自動制御・交通予測などを行う。複数台のデジタルサイネージの情報、Beacon等の情報、お店のリアルタイム空席情報等から得られるデータを解析し、複数のお客様にとって訴求力のあるコンテンツを提供することができる。ディスプレイに向かって話しかけると、音声での対話を可能とする。話された言葉はどの国の言葉かを自動判定し、その国の言葉に変換してコンテンツを表示することがでるなど、デジタルサイネージの可能性は大きく広がる。また、低画質の画像を高画質化してくれるAIツールの登場により高い訴求力を持つ宣伝コンテンツの幅が広がる。

 しかし私の持論だが、どんなにテクノロジーが発展しようと人にとって有意義なコンテンツを配信しなければ意味はない。技術を生かすも殺すも作り手の人間性が全てである事は、これからの時代も変わらないであろう。

May 22th, 2020 Toyosaki’s blog


No.054 デジタルサイネージ用有機ELディスプレイ

 先日、有機ELディスプレイを開発しているメーカー様からお誘いを受けて、開発中のディスプレイのデモと、有機ELディスプレイを活用した新たな空間創出の可能性を討議させて頂いた。今、一般のディスプレイの主流は「液晶パネル」である。液晶パネルはLEDなどの「バックライト」から光を放出し、「液晶」で明るさを調整。調整された光が「RBGのカラーフィルター」を通ることで映像が表示される。

 特徴としては、映像が明るく、色々なサイズのモニターを生産しやすい。課題としてはバックライトの光漏れによる黒の表現と、パーツが多いため薄型化と軽量化に限界がある。それに比べて「有機ELパネル」は「自発行方式」で、発光材料にジアミン、アントラセン、金属錯体などの有機物を使用するらしい。私にはまったく未知の世界であるが、特徴としては、1画素ごとに明るさを調整できるので、「完全な黒」を表現できる事と構造が単純なので薄型化と軽量化が可能となる。見せて頂いた24インチの有機ELディスプレイは厚みが6mmで重さは489gであったのには驚かされた。そして画質面だが、ディスプレイのクオリティーを決める要素は大きく3つで、「コントラスト比」「色域」「対応速度」である。「コントラスト比」はモニターの輝度(明るさ)を表し、「500:1」など、白(最高輝度)と黒(最小輝度)の輝度比で表示される。液晶ディスプレイが1000:1なのに対し、有機ELディスプレイは、1.000.000:1。何と1000倍である。「色域」は人間の目で認識可能な色の範囲の中で、さらに特定の色の範囲を定めたものだ。これはちょっと複雑なので、簡単には説明できないが、 有機雄ELは液晶よりも約1.2近い「高色域」を表示させることが出来る。そして「対応速度」。これも簡単に言うと、液晶パネルの各画素の表示切り替え速度を示し、通常は「黒→白→黒」の表示時間を「応答速度」として、単位はms(1000分の1秒)で表している。一般には数値が小さいほど、映像の切り替えが早く、残像の少ない鮮明な映像になる。液晶ディディスプレイの最速クラスは1msや2msが存在する。そして、有機雄ELは、なんと0.1msである。

 以上の3点から比較しても、有機雄ELディスプレイのクオリティーの高さは実証済みだ、難点はただ一つ「高価」な事だけである。そしてこの素晴らしいディスプレイを使った空間創出であるが、すみません。企業秘密なのでここでは書けません。ただ今回この機会を頂いて思ったことは、日本のディスプレイ開発のテクノロジーの高さである。完全国内生産で製造する事も含め、以前「世界の亀山」と称されたシャープの液晶を超える、新たなブランドが誕生したと言っても過言ではないであろう。私としても、この素晴らしいディスプレイに負けない映像コンテンツを制作しなければ、ディスプレイに申し訳ない。長かった梅雨も明けたことだし、夏の太陽の全身に浴びながら、生ビールでも飲んで考えてみたい。

August 2nd, 2020 Toyosaki’s blog

No.054 デジタルサイネージ用有機ELディスプレイ

No.057 デジタルサイネージのHDR技術

No.057 デジタルサイネージのHDR技術

 最近定着してきた映像技術に「HDR」がある。HDRとは、High Dynamic Range(ハイ・ダイナミック・レンジ)の略称で、従来のSDR(スタンダード・ダイナミック・レンジ)に比べて、明るさの幅(ダイナミックレンジ)をより広く表現できる映像技術だ。簡単に説明すると、日陰が「黒つぶれ」したり、日向が「白飛び」せずに、暗い部分から明るい部分までの階調を、より自然でリアルな再現が可能になってくる。今ではスマホのカメラでもHDR撮影を選択出来るほど普及してきたし、テレビやPCディスプレイ、そしてデジタルサイネージもHDR対応の製品が続々と登場している。今後、映像の新たな基準として注目されているため、我々、映像制作サイドも当然このHDRの技術を探求していかなくてはならない。

 HDRの高画質をささえる要素は大きく5つで、「解像度=映像のきめ細やかさ」「ビット深度=色やグラデーションのきめ細やかさ」「フレームレート=動きの滑らかさ」「色域=色彩の鮮やかさ」「輝度=映像の明るさ」である。最後の「輝度」以外は4Kや8Kなどの放送規格である「BT.2020」ですでに標準化されているが、「輝度」は明確な基準が無く、長い間100cd/m2が業界基準として使われてきた。このため、これまでの映像制作では、高輝度部分はモニター・ディスプレイの特性に合わせて圧縮する必要があり、現実の幅の広いダイナミックスの表現は厳しかったのである。5つの要素のそれそれの解説はたまの機会にして、今回は「輝度」に焦点をあててみたい。「

 輝度」とは映像が表現できる明るさの範囲である。人間の目が知覚できる明るさの範囲は、夜空の10の-6乗から太陽光まで10の6乗までの10の12乗と言われている。従来のディスプレイ・モニターは10の3乗位までしか表示が出来なかったが、HDRはダイナミックスレンジを広げることで10の5乗までの表示がかのうとなる。10の2乗の差なので、100倍の陰影を映し出せることになる。素晴らしい技術なのだが、HDR撮影できちんと100倍の陰影を撮影し、陰影100倍のHDRコンテンツを完成させて、はじめてHDRモニターで再現されるのであるから、制作サイドは大変である。HDR撮影の技術は、まだまだ確立されていないし、HDRの編集作業をサポートできるモニターも高価で数少ない。しかしHDRや8Kの登場で、動画映像が、ますます紙焼き写真や絵画に近づくに違いない。展覧会の絵が動き出す日も、そう遠くはないかもしれない。

August 11th, 2020 Toyosaki’s blog


No.058 可能性を広げるフィルム・ディスプレイの開発

 先日お邪魔した、有機ELディスプレイを開発しているメーカー様の製品の中で、私が注目しているテクノロジーがフィルム・ディスプレイである。厚さはなんと0.1mm。フィルム状なので、かなり小さなアールに加工できる。すでに車のダッシュボードのインストルメントパネル、通称「インパネ」での開発も進められている。今まで、アール状に加工が可能なディスプレイはLEDパネルがほとんどであった。LEDは発光輝度が高いので、屋外の大型ディスプレイなどで力を発揮している。しかし大きな問題は、LEDのドットとピッチである。1点のLEDが大きい事と、1点1点の距離を短くする技術が難しいため、どうしても大型になってしまう。私の知る限り2020年現在での最高精細ピッチは0.95mmである。このピッチで4K(3840 Pixel×2160Pixel)ディスプレイを組むと、165インチで342kgとなる。通常言われている最高精細ピッチが3mmなので、これの3倍なるのだからコンパクト化は、まず無理であろう。近くで見る、とまるで電光掲示板だ。その点、フィルム・ディスプレイは小型化と軽量化できるので、その可能性は大きい。

 デジタルサイネージのディスプレイの設置で、よく問題になるのが、元々ある美しい景観(内装や外装)を、サイネージのスタンドや筐体が壊してしまう事だ。せっかくのインテリアが台無しになる場合がある。フィルム・ディスプレイはこの問題を解決できる可能性を秘めている。特に私が「空間デザイン」を考える時の大きなポイントはディスプレイの規格である。これは大きさではなく、16/9という比率である。この16/9というテレビ規格が、映像制作の可能性を縛っているのだ。みなさんご存じのように、HD規格の前のSD規格は4/3であった。写真や映画用の両方で広く使われている35mmフィルムの規格は3/2である。写真の紙焼きも用紙サイズによって微妙に縦横比が違う。絵画のキャンバスにも様々なサイズが存在する。これらは、表現したい目的によって、自ら選択出来る、創作作業のひとつなのである。空間デザインを考える時には、やはりその空間に適した規格を考えなくてはいけない。

 現在は16/9以外のディスプレイも幾つか存在するが、まだまだ種類か少ない。有機ELフィルム・ディスプレイが自由な比率に対応したら、素晴らしい効果が期待できるであろう。映像信号を流すという点では、そう簡単な事ではないと思っているが、近い将来、日本のテクノロジーで本当に自由な映像キャンバスが誕生したら、空間デザイン、空間演出は大きく開花するに違いない。

 フィルム・ディスプレイの製品や比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「ユニークなデジタルサイネージ用ディスプレイ」を御覧ください。

August 14th, 2020 Toyosaki’s blog

No.058 可能性を広げるフィルム・ディスプレイの開発

No.062 デジタルサイネージも8Kへ向かうのか

No.062 デジタルサイネージも8Kへ向かうのか

 早いもので9月に入り、今年も残り4ヶ月となった。未だにコロナは収束せず、総理は職を辞し、キャベツは高い。本来、今年の東京オリンピックで注目を集めるはずであった8K放送も先延ばしになってしまった。デジタルサイネージのディスプレイは、まだHD(1920×1080ピクセル)が主流であろう。価格が安いのでデジタルサイネージを導入しやすいし、HDコンテンツも比較的出回っている。HDの次は4K(3840×2160ピクセル)になるのだが、同時に8K(7680×4320ピクセル)の技術も急速に発達している。地上デジタル配信も、2018年12月1日から、BS/110度CSを使った衛星放送で4K8K放送がスタートしている。たが、肝心の地デジの4K放送は変更なく現状のままで、今までどおりのハイビジョン(HD)放送が継続される。地デジ放送は、テレビ放送が中心となるので、高額な費用をかけずに誰でも視聴できるものでなければならない。ニュースはもちろん、天気予報、地震や津波といった災害情報などを多くの人に届ける公共の責任がある仮に、地デジ放送が4K放送に変わってしまうと、2011年のアナログ地上波放送の終了のときのように、すべての家庭でテレビを4Kに買い替える必要があり、大きな混乱が生じてしまうであろう。日本の映像メディアはその時のテレビ放送を中心に考えてきた経緯がある。地上波をHD放送に切り替えると言えば、HDディスプレイの開発と販売が加速する。4K放送も始めますと言えば、4Kディスプレイの開発と販売が加速する。

 現在、大画面のテレビは4Kが主流だが、地デジなどはテレビ側でHDを4倍にアップコンバートして表示しているだけで、4Kの性能は生かされていないのが現状だ。市販の映像コンテンツも、テープからDVDへ進化し、ブルーレイの誕生でHDもの収録も可能になった。2015年には4Kを収録できるディスク「4K Ultra HD ブルーレイ」も登場した。本来であれば今年開催される予定であった東京オリンピックで、4Kテレビの普及は加速したはずであった。東京オリンピックはすでに8Kでの収録も準備されていたのだ。オリンピックの臨場感や映画などは4Kで視聴したいと思うし、8Kなら更にリアルな映像となるであろう。しかしバラエティー番組やワイドショーなどはHDでも十分だと思ってします。これは単に好みでは無く、映像を制作する作業が格段に違うからである。収録データ量にしても、編集のレンダリングにしても、単純に4KならHDの4倍。8KならHDの16倍になる。

 ピクトパスカルのデジタルサイネージ用コンテンツも、サイトオープン当時から4Kを見据えての制作をしてきた。近い将来4Kが主流になるのは明らかであったので、全てのコンテンツ4Kで制作し、HDはダウンコンバートしている。4Kでの制作に踏み切ったのは、カメラの4K撮影やPCでの4K編集が可能になってきたからであった。それでも、まだまだストレスのないスピードには達していない。テレビの8K放送はさておき、デジタルサイネージの世界では8Kコンテンツは非常に有効だと思っている。HDRの技術なども加えたら今まで表現できなかった世界が可能になるであろう。唯一デメリットもある。コンテンツの細部までのディテールも表現されてしまう事だ。ドラマで言えば、大道具や小道具、衣装やメイクなども鮮明に写ってしまう。SDからHDに移行したときも、女優さんのシミ・シワがはっきりと映り、修正専門のスタッフが必要になった。これが8Kになったらと思うとぞっとしてしまう。技術の発展は素晴らしいことだが、技術者の探究心はたまに暴走する時がある。技術的に可能だからといって、「16Kテレビへ移行します」などとは、私が現役でいる間は耳にしたくない。

September 3rd, 2020 Toyosaki’s blog


No.065 シースルー・ディスプレイの最新技術

 新しいデジタルサイネージの広告戦略として注目されてきたのが「シースルー・ディスプレイ」だ。文字通り映像を映さない状態では透明になる特殊なテクノロジーを使用したでディスプレイである。実際に飾られた商品と映像が重なり合う効果があり、日本ではシャープが実用化に向けて開発を進め、昨年行われたアジア最大級のIT技術とエレクトロニクスの展示会「CEATEC 2019」で注目を集めた。同じような発想で数年前から実際に使用されてきた物に「フィルム・スクリーン」があった。ガラスに透明フィルムのスクリーンを貼り付け、そのスクリーンにプロジェクターで映像を投影するシステムであった。私も何度がコンテンツ制作に携わったが、やはり映像の鮮明度が足りなく、思ったような効果は得られなかった。

 それに変わって「シースルー・ディスプレイ」は液晶ディスプレイを使用している。通常の液晶ディスプレイは液晶パネルの背面に「バックライト」と呼ばれる発光体があり、その光が液晶を通過して映像として映し出される。シースルー・ディスプレイの場合は、この「バックライト」を取り外し、ショーウインドの中に仕込まれたLEDを拡散させて、バックライトの代わり役割を果たしている。タイプも高品質の映像表示を可能とする映像重視と、透過性能を向上させ、奥のものがよりクリアに見える透過重視の2タイプがある。ではこのシースルー・ディスプレイのコンテンツ制作はどうあるべきか。もちろん、どんな商品が飾られるかによって映像表現も大きく変わってくるが、主役の商品が飾れている以上、映像は脇役に徹することになるであろう。単純に商品の価値を膨らますイメージ映像だったり、商品の機能を説明する映像が考えられる。また商品ではなく、単なる装飾としての利用も効果があるだろう。例えば、綺麗なフラワー・アレンジメントを飾り、その花の花弁が宙を舞っているような幻想的なショーウインドも魅力的だ。

 しかし、実はこのシースルー・ディスプレイは昔からあったのだ。オペラで使われる「紗幕」が、まさにシースルー・ディスプレイの効果を狙った演出手法であった。「紗幕」とは舞台で使われる幕のひとつで、紗のような薄手の生地で作った幕である。幕の内側の役者や大道具にその後方から照明を照らすと幕に透けて映し出され、幕の前方から照明を照らすと幕には映らない。この効果を利用した舞台演出も多く見てきた。色も黒紗と白紗があり、目的によって使用される。白紗に全面からプロジェクターで映像を投影し、映像が終わった所で、舞台上の証明が入り、演技が始まるなどが効果的であった。舞台演出が出身の私にとって、シースルー・ディスプレイは紗幕そのものである。そう考えると、結局はアナログの良いところは、新たなテクノロジーでデジタル化されて生き残っているのかも知れない。ただ単な映像のみのデジタルサイネージよりも、アナログとコラボするシースルー・ディスプレは以外に流行るかも知れないと私は思っている。

September 10th, 2020 Toyosaki’s blog

No.065 シースルー・ディスプレイの最新技術

No.069 ミラー・ディスプレイの技術

No.069 ミラー・ディスプレイの技術

 鏡とディスプレイの両方の機能を持ったミラー・ディスプレイ。デジタルサイネージのディスプレイとしても、ミラー・ディスプレイは使用されている。実際にミラー・ディスプレイのコンテンツ制作はしたことがないが、こうしてブログを書くことによってシュミレーションできることも悪くはない。もともと鏡は不思議な力を持っている。英語の「MIROR」の言語はラテン語の「MISARI」で「驚く」「不思議」「見つめる」からきたもので、その不思議な力を物語っている。鏡の始まりは「水鏡」だと考えられている。古代の人々は水面に自らの姿を映していた。金属製の鏡が誕生し起源は明らかではないが、金属器時代(紀元前3000年〜2000年頃)のオリエント地域で初められたと考えられている。現存する金属鏡で最も古いものは、エジプトの第6王朝(紀元前2800年)の鏡で、銅を主体とした合金で銅鏡とも呼ばれている。日本の金属鏡は弥生時代の前期に中国から伝来したもので、顔や姿を映すというよりは、太陽の光を反射する神秘的な道具として祭祀や魔除けなどの儀式に用いられたり、権力の象徴として珍重されていた。天皇家が受け継いできた「三種の神器」にも「八咫鏡(やたのかがみ)」が入っている。ガラス製の鏡は14世紀にイタリアのベニスで発明され、日本に伝えたのはフランシスコ・ザビエルであった。現在のような鏡が開発されたのは19世紀になったからで、基本的な製造方法は今も変わっていない。そして、鏡の特性を利用した様々な発明が世の中を変えていったのである。その発明のひとつが「反射望遠鏡」である。その後、天体望遠鏡と発展を遂げ、天文学が確立されていく。また、一般的な平面鏡に対して凹面鏡は、入ってきた平行光線を集めることができ、凸面鏡は光を拡散する性質を持っている。ヘッドライトやカーブミラーが一番の例であろう。

 ではミラー・ディスプレイのコンテンツを考える場合に、まずミラー・ディスプレイの特性を知らなければならない。現状のミラー・ディスプレイは大きく2つに分かれる。ひとつはディスプレイにミラーやハーフミラーのフィルムを貼り付けて効果を出す方法で、簡単で安価、そしてスピーディーな導入が可能だ。もう一つは光を透過する特殊なミラーパネルによって鏡の映り込みと映像を完全に分けて空間を創造するタイプである。モニターフレームを鏡で覆うので見た目も美しく、高級感がある。どちらも、映像を映した時に自身の映り込みもあるので、自身の映り込みを利用したコンテンツになるであろう。例えばアパレルショップの姿見をミラー・ディスプレイのデジタルサイネージで代用し、映っている自身に様々な服を重ね合わせる「デジタル・ファッション・カタログ」だ。効果的に使えば話題になるかも知れない。

 コンテンツ制作で注意したいのがミラー用のコンテンツに仕上げることであろう。映り込みを利用するのであれば、なるべく背景は黒にして、映り込みと映像が綺麗に融合することがポイントとなる。また、融合させないのであれば、明るい色をコラージュして、映り込みの存在を消すコンテンツにしなければならない。大切なことは珍しいディスプレイを使っていることではなく、ミラー・ディスプレイの「鏡」の不思議な力を引き出すコンテンツでなくてはならない。女性に「シンデレラ」になった気分を味わってもらうのか、「魔女」なってもらい反感を買うのか?いずれにしても鏡は、綺麗に変身した自分を褒めてくれる女性にとって大切なアイテムである。コンテンツを制作する時には、女性の意見やアイデアを取り入れることが鍵かもしれない。

 ミラー・ディスプレイの製品や比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「ユニークなデジタルサイネージ用ディスプレイ」を御覧ください。

October 5th, 2020 Toyosaki’s blog


No.070 ウィズ・コロナのデジタルサイネージ

 先月9月24、25日に開催された、マンションの設計・施工や修繕、管理に役立つソリューションが一堂に介する専門展「マンションビジネス総合展2020」で面白いデジタルサイネージが披露された。Wiz社が販売するNETDOOR製の感染症拡大防止デジタルサイネージ「D-Sign series Clean」である。このデジタルサイネージ、なんと検温の機能と消毒液の自動噴射を備えているという。検温は、人が正面に立つと、搭載した高性能赤外線IRセンサーが体表温を測定し、結果はディスプレイに表示される。消毒液は本体下部のスペースに利用者が両手を差し込むことで放出される。

 また、オプションとして顔認証のAIシステムを組み込め、従業員の勤怠や入退室、健康の管理も行えるというスグレモノ。決してクリエイティブでは無いし、新しいテクノロジーの無いけれど、こうしたアイデアもウィズ・コロナだからこそ生まれた知恵であろう。もともと医療関係では早い段階からデジタルサイネージの導入を試みており、医療現場の負担を少しでも軽くして患者のサポートに充てるという考え方が根本にあるのであろう。

 この他にも、感染防止対策を表示したり、スペースをとって座れる座席表を表示したりするなど、ウィズ・コロナをテーマにしたコンテンツも増えてきた。ピクトパスカルも初期の段階から無料の感染防止コンテンツを考えてきたが、タイミングが掴めないまま時が過ぎている。思ったことは直ぐに行動に起こせる軽いフットワークが可欠してきているのだ。はやりタイミングとスピード感がこの時代を切り抜けるポイントだと改めて教えられた気がする。

October 12th, 2020 Toyosaki’s blog

No.070 ウィズ・コロナのデジタルサイネージ

No.093 両面ディスプレイのデジタルサイネージ

No.093 両面ディスプレイのデジタルサイネージ

 デジタルサイネージには両面仕様の特殊なディスプレイがある。種類は大きく2つに別れ、自立型と釣り型である。ディスプレイの構造上、自立の両面ディスプレイは、単純に2つのディスプレイを抱き合わせれば可能だが、厚みも膨らみ、荷重もかなり重たくなってしまう。それに比べ釣り型の両面ディスプレイは、最初から一体型で2つの画面を抱き合わせているので、スリムで軽量化がはかれている。よりスリムにするためには有機ELパネルなどの最新技術が最も有効である。

 昨年行われるはずであった東京2020オリンピック開催期間中のスポンサー・パビリオンで、この両面ディスプレイを使用したデジタルサイネージのコンテンツをプランニングしていた。パビリオンはオリンピックの協賛が出展するブースで、私がプランを出していたのが大手スポンサーのひとつであったカメラメーカーであった。ワイド50mの大型ブースに、60台の両面ディスプレイを天井から吊るして、2ヶ月間、毎日、1時間毎にコンテンツが更新されるシステムだ。もちろんこのプランは東京2020の延期で頓挫したままだが、もしコロナを克服して、本年オリンピックが開催されたとしても、もはや復活することはないであろう。香港の俳優の個展でも、この両面ディスプレイの企画が持ち上がったが、実現しなかった。理由はコストとプログラムが複雑かつ管理が大変なことである。いつか実現させたい企画であるが、しばらくは辛抱する時期が続くのであろう。一日も早く、人が自由に集まって、ハグできる社会を取り戻したいものである。

January 21th, 2021 Toyosaki’s blog


No.096 タッチパネルのデジタルサイネージ

 近頃、私の住んでいる街のコンビニの支払いが、タッチパネル式のレジに変わってきている。コロナの影響で、店員とのお金のやり取りでの接触を避けるためか、一気に加速して導入が進んでいく気がする。タッチパネルで支払い方法法を選択し、現金なら硬貨と紙幣を挿入。スマホのアプリならバーコード決済と、少し戸惑ってしまう。今ではスマホやパッドなどの普及で、タッチパネルを持ち歩く時代であるから、これからも、あらゆる「ボタン」がタッチパネルに変わってしまうのかもしれない。デジタルサイネージもタッチパネルを使用したディスプレイも多く設置されている。主にはインフォメーションや情報提供であるが、最近はそのままチケット購入などの、決済システムなどの最新技術が導入されたサイネージも登場してきている。

 デジタル世代の若い人は「便利」と感じるかもしれないが、還暦前の私でさえ「不便」と感じることが少なくない。ショッピングセンターでデジタルサイネージを使って場所を検索するよりも、インフォメーションコーナーに行って、綺麗なお姉さんに聞いたほうが、遥かに早く気分が良い。全てがデジタル、全てが自動化、全てが無人化を進めれば、コロナが無かったとしても、「ソーシャル・ディスタンス」が進む。今、必要なのは「フィジカル・ディスタンス」であると唱える人もいる。感染リスクの距離はとっても、心は寄り添うというものであろう。タッチパネルのデジタルサイネージでも、3回大きな間違いをしたら「操作が難しいようでしたら、案内所へお尋ねください」とか親切なコメントが出て、案内所までのルートを表示してはどうであろうか?最新のテクノロジィーやシステム、コンテンツを制作した側の押しつけで、操作する人を困られては本末転倒であろう。人に優しいタッチパネルのデジタルサイネージ開発に取組でほしいし、そういうコンテンツの開発なら喜んで参加したいと思う。

  タッチ式デジタルサイネージの比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「多機能なタッチ式デジタルサイネージ」を御覧ください。

January 27th, 2021 Toyosaki’s blog

No.096 タッチパネルのデジタルサイネージ

No.106 世界最高輝度の最新プロジェクター

No.106 世界最高輝度の最新プロジェクター

 プロジェクターを使用した映像投写やマッピングもデジタルサイネージとして分類される場合がある。私もマッピングや大型イベントなどで多くの業務用プロジャクターを使用してきた。私が知る限り最も輝度があるプロジェクターは、パナソニックの業務用4Kプロジェクター「PT-RQ50KJ」である。輝度は50,000lmで世界最高であろう。光源には青色と赤色のレーザー光源を採用し、複数の波長を最適制御する広色域化技術によって、従来比114%の色再現に対応している。3枚DLP方式で、素子サイズは1.38型(アスペクト比17:9)。解像度は4,096×2,160の4Kデジタルシネマサイズ。コントラスト比は20,000:1と、最新テクノロジーと集結したプロジェクターである。プロジェクションマッピングを初めとするプロジェクターを使用した空間演出の価値を高めるためには、高解像度、高い視認性、またコンテンツを制作するクリエーターの意図通りに、映像を忠実に表現する色再現性が求められる。

 しかし、私は今まで一度もこのプロジェクターを使ったことがない。新しい機材であることと、やはりコロナの影響で大きなイベントそのものが、この一年間皆無であったからだ。ところが4月の末に横浜アリーナで行われる大型イベントで、このプロジェクターを使うことになったのである。横浜アリーナの会場を横使いにしてステージを組み、長さ55m高さ12mの巨大スクリーンに投影するプランだ。3台のプロジェクターで3面のブレンディングという試みは、まずないであろう。実はこのイベント、昨年の4月に行われるはずであったのだが、コロナで頓挫していた。今年は最悪、無観客でもライブ配信するという約束のもと、55mスクリーンのプランを構築してきた。しかし先日、またもや中止に。プランに費やしてきた作業への報酬は無い。これはもう日本のビジネススタイルの問題である。海外では必ず報酬や保証がある。日本もビジネススタイルを変えなければ、エンターテイメントの未来は暗い。だが、私は嘆かない。いつか必ず、この50,000lmの世界最高輝度のプロジェクターを使ったデジタルサイネージを作ってみせるという希望を持って進んで行こう。

February 27th, 2021 Toyosaki’s blog


No.118 AI EXPO 2021 最新の人工知能

 4月の7日から9日の3日間、東京ビックサイト青海展示棟で「AI EXPO2021」が開催された。久しぶりに展示会が開催され2日間現地に行ってきた。勿論お仕事である。AI EXPO(人工知能展)は2017年からスタートした、新しい展示会である。私が担当したのは、中国のトップ企業のひとつである「HUAWEI」のブースで、最先端のテクノロジーが詰まっていた。日本よりも数年先を行っている感覚であったが、AIの導入で益々デジタル化される世界は、アナログ派の私には少し着いていけないスピードを感じた。

 そんな中で、少しだけほっとさせてくれたのが「コンパニオン」の存在であった。展示会といえば、綺麗なコンパニオン目当てで会場を訪れるカメラ小僧も少なくない。「綺麗なお姉さんは好きですか?」と聞かれれば、私は素直に「はい」と答えるが、決してコンパニオンの写真を撮りに展示会に行くことはない。しかし、今回は「お仕事」である。クライアントの依頼で、仕方なくコンパニオンの映像も撮らなくてはいけない。そして当然感染防止対策として、マスクの上に更にフェイスシールドも着用してのアテンドだ。マスクはともかくフェイスシールドは照明の映り込みが激しい。

 コンパニオンの魅力は「笑顔」だ。「笑顔」を創り出す表情は「目」と「口」である。口をふさがれたコンパニオンは、「目」だけで「笑顔」を創らなくてはいけないのである。カメラを向けるたびに、この子はマスクを外したらどんな笑顔なのだろうか?この子の唇はどんな形なのだろうか?と良からぬ想像?妄想?を抑えきれない撮影になってしまった。マスクを着けたコンパニオンの魅力を引き出すことができたかはさておいて、何かしっくりとこない撮影現場になってしまった気がする。でも、AIテクノロジーがいくら発展しても、コンパニオンをロボットにするほど人間は愚かではない。しかし、そう思っているのはこの会場で私ひとりだけかもしれない。

April 9th, 2021 Toyosaki’s blog ctt_118_companion

No.118 AI EXPO 2021 最新の人工知能

No.151 デジタルサイネージとDX

No.151 デジタルサイネージとDX

 近年、様々な業種や分野で「DX」への取り組みが推奨されてきた。DX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)とは、進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと「変革(トランスフォーメーション)」させるという概念のことで、DX自体に特別な意味があるわけではない。日本でも経済産業省が推奨するなどして、DXへの注目が集まっている。今年開催されたIT系の展示会などの講演のテーマに「DX」の文字が多く見られた。

 DXと聞くと難しそうに感じるが、ITの進化によって作られたデジタルシステムをみると、結構昔から私たちの身近なものが変化していることが分かる。 例えば、銀行口座の開設から取引までオンライン上で行えるインターネットバンキングや、映画や新幹線などのチケットをオンライン上で購入できるシステム、アマゾンや楽天市場などのネットショップなどもDXといってよい。

 DXの定義は、主に3つある。1つ目はデジタルトランスフォーメーションで、スウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏が2004年に提唱した概念で、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」が挙げられている。

 2つ目が、デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションで、マイケル・ウェイド氏らによって、2010年代に提唱された概念で、「デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること」と定義している。

 そして3つ目が、2018年に経済産業省が公表したDXの定義で、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と具体的に提唱されている。

 そう考えていくと、デジタルサイネージは「DX」そのもので、広告、情報発信、エンターテイメントなど様々な分野に「変革(トランスフォーメーション)」を起こしてきた。しかし社会も企業も含めたDX推進として、一貫性のあるITシステムを構築や、IT人財の確保と育成など、多くの課題も見えてくる。「DX」の推進は現代社会に必要だが、単なるデジタル化では意味が無い。新たなDX社会をより良い未来にするのも、推進をする人々の「人間性」にかかっていると感じる。

July 7th, 2021 Toyosaki’s blog


No.174 SONYの空間再現ディスプレイの開発

 SONYの裸眼で視聴できる高精細空間再現ディスプレイ( Spatial Reality Display )は、革新的なテクノロジーが詰まっているディスプレイだ。その特徴をいくつか挙げておこう。

①視線認識技術による立体映像体験
特別な3D用メガネやヘッドセットなどの機器を装着する必要は無く、ソニー独自の視線認識技術によって、目の位置を常に検出し、左右それぞれの目に最適な映像を生成する。裸眼でも、クリアで色鮮やかな立体視体験を2.1chのサウンドとともに実現している。

②空間そのものを立体で目の前に再現する
ディスプレイの奥へと続く、いつまでも眺めていたくなる別世界を表現。作品が、まるでそこにあるかのように感じられる。

③リアルタイム映像生成アルゴリズム
高速・高精度のリアルタイムセンシング技術が、高速で見る人の瞳の位置を的確にとらえ、左右の目の位置に連動した映像をリアルタイムに生成する、独自のアルゴリズムを開発。これにより、常に両目に正しい視点映像が提示されるので、動体視差も再現し、目線の変化にも対応した立体視が可能になります。

 空間再現の技術がここまで進んできた事は素晴らしいことである。これでコンテンツ制作の幅が大きく広がるであろう。現在は4Kの15.6インチとまだまだ小さいディスプレイだが、これが大きなディスプレイに発展していったら面白い事になるであろう。実は先日、SONYのショールームで配信する、「Spatial Reality Display」のデジタルサイネージを制作させて頂いたのであった。

August 19th, 2021 Toyosaki’s blog

No.174 SONYの空間再現ディスプレイの開発

No.197 最新技術を利用した無人ホテルの受付

No.197 最新技術を利用した無人ホテルの受付

 デジタルサイネージのテクノロジーも多様化してきている。SQUEEZEは、小規模無人スマートホテルの顧客満足度を高めるとともに、水光熱費を削減するため、パナソニックシステムデザインの遠隔コミュニケーションシステムとパナソニック製の電力モニタリング兼遠隔コントロールシステムを用いたデジタルサイネージ実証実験を東京都大田区西蒲田の無人ホテル「Minn 蒲田」で開始した。これが成功すれば、ホテルの無人化は更に進んでいくに違いない。

 国内のホテル業界は、人件費や賃料といった固定費が高く、売上は新型コロナウイルス感染症の拡大や国際関係などの環境変化による影響を受けやすい傾向にある。その中でも全体の支出における約40%を占める人件費をカットする取り組みは、実現が困難でホテル事業を持続する上で問題となっている。また、大規模ホテルでは固定費の負担に耐えられるが、客室が100室程度の中規模ホテルでは、高い固定費の構造を受け入れつつ運営するか、業務委託型支配人制度や住み込みで従業員に負荷をかけるケースが多い。客室が50室未満の小規模ホテルではコロナ禍で利益を出すことが難しい状況に陥っているのである。

 この課題を解消するために、ホテルの運営やソリューションを展開するSQUEEZEでは、独自開発のクラウドシステム「suitebook(スイートブック)」のデジタルサイネージを利用して、顧客がスマートフォンで宿泊予約やチェックイン・アウト、泊まる部屋の施解錠が可能な体制を構築し、フロントの無人化に成功したのである。今後もデジタルサイネージを利用した人件費の削減を可能にするシステム開発が進んでいくことだろう。AIやこういった最新技術によって、職を失う人のケアー無くして技術に発展に意味はないと思う。

September 18th, 2021 Toyosaki’s blog


No.199 最新CG技術から生まれたバーチャルモデル

 今、Instagramを中心に活躍しているバーチャルモデル「imma(@imma.gram)」が、まるで本物の女の子だとネットで注目を集めている。2021年9月6日、パラリンピックの閉会式にも登場し、今、日本でもっとも話題になっているモデルはimmaであろう。2018年7月にインスタグラムのアカウントが開設されたのだが、なんと言ってもその特徴的なピンク色の髪に切りっぱなしのボブ、ファッション、メイクなどファッショナブルな雰囲気で、現代のティーンにより近づいた仕上がりが、日本のファッション&カルチャーのアイコニック的な存在感を醸し出している。

 そして、immaがこれまでのCGキャラクターと違うのは、まるで普通の女の子がインスタグラムに投稿をしているかのようなリアルな写真だ。それもそのはず、頭の部分を3DCGで作成し、実写で撮影した体と背景に合成したデジタルヒューマンなのである。CGで話題になったのと言えば、2015年の女子高生をモデルにした「Saya」だった。バーチャルモデルと言うよりは、「CGキャラクター」としての要素が強く、インスタグラムのでは運用されていない。はじめから目的が違って制作されているのだ。それにしても近年のCG制作の最新技術には驚かされるばかりである。デジタルサイネージの世界でも、これからはバーチャルモデルが活躍していくのであろう。今後も、世の中は現実とバーチャルの境界線がよく分からなくなっていく。

September 20th, 2021 Toyosaki’s blog

No.199 最新CG技術から生まれたバーチャルモデル

No.201 タッチパネルの技術は接触から非接触へ

No.201 タッチパネルの技術は接触から非接触へ

 タッチパネル、タッチディスプレイは、スマートフォンや、自動券売機など、画面をタッチすることで情報を入力できることから、身近なところで数多く利用されてきた。画面を変えるだけで入力内容を変更できるので、ボタンやスイッチのついた入力パネルを幾つも用意する必要が無く、邪魔なボタンの無いフラットな操作面は、機能的で大変便利である。

 コロナ渦になって注目を集めだしたのが、非接触のタッチパネルである。非接触のタッチパネルは工場内で作業をする際、マシンオイルや洗浄液で濡れたりしている手でタッチパネルを操作すると画面が汚れて見えなくなったり操作しづらくなることを防いでいた。医療現場では、感染拡大の危険を回避するために、操作パネルを触るたびに、手の殺菌や手袋の廃棄破棄する問題を解決したのが非接触タッチパネルだった。

 非接触タッチパネルは画面に触れず、指が浮いた状態で入力操作を行う技術だ。空中タッチパネル、タッチレス操作パネル、ホバー入力パネル(hover=空中に停止する)ともいわれている。非接触タッチパネルは、コロナ渦はもちろん、今後の社会において需要が高まり、欠かすことのできない入力方式のひとつになってくるであろう。現在は小型のディスプレイが主流だが、今後は、大型や曲面タッチパネルでのホバー入力方式への対応も可能となるであろう。当然タッチパネル式のデジタルサイネージも非接触タッチパネルが主流になっていくに違いない。タッチパネルが非接触へ変わっても、人間は再びハイタッチやハグができる世界に戻ってほしいものである。

 タッチパネルの製品や比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「多機能なタッチパネルのデジタルサイネージ」を御覧ください。

September 23rd, 2021 Toyosaki’s blog


No.203 タクシーの車窓をデジタルサイネージ化

 タクシー配車のアプリを提供するS.RIDEが、タクシーの車窓をデジタルサイネージ化し、走行中に広告を映し出すサービス「Canvas」を始めると発表した。まずは東京都で100台のタクシーを使って始め、2022年までに1000台に拡大するらしい。
後部座席の車窓を、AGCが技術開発したガラス製のスクリーン「グラシーン」を搭載したタクシーを活用。車内に設置した小型プロジェクターを使い、乗客のいない「空車時間」を利用して静止画像を投影する。グラシーンは既存の車両に後付けすることも可能だという。今までタクシーの後部座席のデジタルサイネージは多く見かけたが車窓広告は、まだ見たことはない。動画配信も可能になれば需要は増えてくるかもしれない。

 今後は車両の位置情報を活用し、走っている場所や時間に合わせて広告を切り替える仕組みも開発する。東京だけでなく、S.RIDEが事業を展開する名古屋市や横浜市などへの拡大も目指している。都内を走るタクシーの多くは、1日の平均走行時間のうち約半分が空車時間だという。空車時間を利用することと、コロナ渦で売上が落ち込んだタクシー会社の救済も兼ねているとのこと。こういった発想がデジタルサイネージの普及を加速するきっかけになることは間違いないであろう。

September 26th, 2021 Toyosaki’s blog

No.203 タクシーの車窓をデジタルサイネージ化

No.204 AI技術を搭載したデジタルサイネージ

No.204 AI技術を搭載したデジタルサイネージ

 今、あらゆる分野でAIの開発が進んでいる。AI(人工知能)搭載のデジタルサイネージが普及することで、私たちの暮らしも変わってくるだろう。AI(Artificial Intelligence)とは人間の行動や判断能力を人工的に再現した技術のことで、AIには1つの分野に特化したタイプと、複数の分野をこなせるタイプがある。AIの技術は様々な分野に導入されており、現在、顔認証システムや音声認証システムなどでも活用され、その技術は日々進化している。

 AI技術を搭載したデジタルサイネージに出来る事といえば、
①ターゲットに則した訴求として、年齢、性別、表情などユーザーの詳細な情報を収集することがでる。多くのデータを収集することで高い精度でニーズが分析できるようになり、シーンやユーザーの行動パターンに合わせたコンテンツの表示や商品の提案することができる。

②企業が一方的にユーザーに情報を与えるだけでなく、ユーザーから反応をもらうことで相互的なやり取りが可能になることが挙げられる。どのようなユーザーがタッチパネルで何を調べたのかを知ることでコンテンツに反映することができる。

③AIで収集したビッグデータを解析することでユーザーの興味関心を知ることができ、広告はもちろん商品やサービス開発にも役立たせることができる。

④データを集計することで未来の予測ができるようになる。AIでは多くの情報を収集しカテゴライズすることで、今後の集客などの変動を予測できる。より多くの集客につなげる方法の検討や適切な在庫量の判断ができるほか、予測と実際の状況を比較することで今後の経営について見直す機会を得られる。

 また、AIは映像や音声、文字などのデータを収集し、予測をたてることもできる。たとえばランニングの際にいつも聞いている音楽があれば、新たに似たような曲を探すなどユーザーのニーズにマッチした情報を取得することもできる。

 何でもできそうなAIだが、AIはデータを複数の情報から収集したあと、それを組み合わせて推測することはできるが、何もない状態から何かを生み出す「クリエイティブ」な作業はできないのである。間違ってもAIを搭載したドローンミサイルなどは、国際条約で禁止にしなければ再び冷戦が起こるかもしれない。人類の敵はウイルスだけで十分である。

September 27th, 2021 Toyosaki’s blog


No.207 自動販売機のデジタルサイネージ化

 最近見かけるようになったデジタルサイネージの自動販売機。自動販売機の前に立つと、その人に合った商品を「オススメ」する。そんな喋りかける自販機が登場したのは2010年8月のこと。全面タッチパネルのデジタルサイネージを搭載した「次世代自動販売機」がJR品川駅に設置されたのが始まりだ。

 デジタルサイネージの自動販売機では、季節や時間・気温に応じて、人が前に立つとセンサーが作動し、オススメが表示されるシステムが搭載されている。また、売り切れを表示しないといった機能もある。商品が売り切れると、自動販売機内の在庫商品の画像(隣り合わせの商品)に表示が切り替わる仕組みだ。人は売り切れの多い自動販売機には購買意欲が下がる傾向にあるらしい。

 今、飲料水以外のアイテムを売る自動販売機が増えてきているらしい。例えば、缶詰やキャラクターグッズなど、デジタルサイネージを活用したアイデア自動販売機も増えてきている。ありとあらゆる場所に進出しているデジタルサイネージだが、やはり効果を出すには様々なアイデアが必要だ。

September 30th, 2021 Toyosaki’s blog

No.207 自動販売機のデジタルサイネージ化

No.211 デジタルサイネージの技術開発

No.211 デジタルサイネージの技術開発

 世の中がAIやDXを進める中で必ずと言ってよいほど、デジタルサイネージが絡んでくる。デジタルサイネージはもはやデジタル技術の代名詞になりつつあるのかもしれない。デジタルサイネージはそれ自体が商品ではない。デジタルサイネージは情報発信媒体なので、何かしらの情報を配信して、初めて存在価値が生まれる。世界が情報化社会と言われるようになって、もう何年が経つであろう。インターネットというボーダレスな世界を創ってしまった人類は、もう情報化社会から抜け出すことは出来ないであろう。

 であるならば、より良い情報、より価値の高い情報を求めてくるユーザーを満足させるのは、「情報」そのもののコンテンツ価値だけでは無く、どのように「情報」を伝えるかというプロセスが求められてくる。それに応えるメディアとして、デジタルサイネージはこれからも最新の技術開発に支えられながら進化していくのであろう。時は暴走する技術にブレーキを掛けながら、ハンドルを握らなくてはならない。いかにテクノロジーが進歩しようとも、ハンドルとブレーキはヒューマン・コントロールに委ねるしか無い。それは、車が完璧な自動運転の技術に達したとしても変わらないであろう。

  デジタルサイネージの技術開発をしている会社の情報は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「デジタルサイネージの販売会社・メーカー」を御覧ください。

October 6th, 2021 Toyosaki’s blog


No.214 AI技術で変わるインタラクティブ・サイネージ

 インタラクティブ・サイネージは、今までのデジタルサイネージと異なり「人の動きに連動する」「通行人とコミュニケーションを図れる」などの新たな機能を備えている。インタラクティブとは「双方向」という意味で、情報を一方向で見せるだけではなく、見る側からのコントロールも可能としていることを指している。インタラクティブ・サイネージの主な機能としては、スマートフォンやSNSとの連携機能、音声認識・顔認識機能、AR(拡張現実)機能、接触感知機能(タッチパネル)などが挙げられる。インタラクティブ・サイネージは、今までのデジタルサイネージと異なり「人の動きに連動する」「通行人とコミュニケーションを図れる」などの新たな機能を備えている。

 これまでも、人の行動に反応するインタラクティブ・サイネージは多く存在してきた。どちらかというと、エンターテインメント性を持ったコンテンツが多かった気がする。そこに、最先端技術であるAI技術の導入が盛んになってきている。より多くの情報を分析し、ユーザーに絞った情報の提供が可能になってきている。これからのインタラクティブ・サイネージは人に情報を届けるだけでなく、人が能動的に情報を集めるツールとしての機能が加わり、通りがかりの人を惹きつけ、認知や行動を効果的に促すためにも、ぜひより人間的で柔軟性のある進化を遂げてもらいたい。

October 10th, 2021 Toyosaki’s blog

No.214 AI技術で変わるインタラクティブ・サイネージ

No.216 最新の配信システムはグラウドがオススメ

No.216 最新の配信システムはグラウドがオススメ

 デジタルサイネージのコンテンツ配信には、大きく3つの配信システムがある。本体での再生を除き、USBやSTBなどの「スタンドアローン型」。LANなどのネットワークを利用する「オンプレミス型」。そしてインターネット上のクラウドサーバーを通じて配信する「クラウド型」である。最新の配信システムとしては「クラウド型」が使い勝手や安全性などから人気が高い配信システムである。

 もとものクラウドとは、クラウド コンピューティングといわれ、インターネット上にあるコンピュータのリソースを利用することである。サービスを提供する企業が構築したITインフラや開発環境、アプリケーションなどのコンピュータリソースを、インターネットを通じて遠隔で操作するものである。高性能なサーバーを使用できるため、自社専用のサーバーを購入・保有する必要が無いのが、発展したポイントである。

 クラウドの歴史は、2006年にAmazonのクラウドサービス「 AWS 」が登場し、Googleは2008年に「 Google Cloud 」、Microsoftは2010年に「 Azure 」、それぞれサービスを開始している。デジタルサイネージのコンテンツ配信にもクラウドが応用されたことが、デジタルサイネージの普及にもつながっている。今後もクラウド・システムの技術開発が進み、さらなるデジタルサイネージの普及に貢献してほしい。

 クラウド・システムの・サービスや比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「クラウド・システムによるネットワーク配信」を御覧ください。

October 12nd, 2021 Toyosaki’s blog


No.217 マルチディスプレイの最新技術

 複数のディスプレイをジョイントして大画面を創るマルチディスプレイは、ディスプレイ技術のひとつの特徴である。液晶ディスプレイで可能な大きさは80インチ程度なので、それ以上のサイズになるとLEDパネルでの構築か液晶ディスプレイの構築になる。LEDは高額なので、コストを下げたマルチディスプレイは液晶ディスプレイ一択になる。

 液晶ディスプレイで構築するマルチディスプレイの唯一の弱点は、ディスプレイのフレームであるベゼルがジョイント部分に黒いラインを作ってしまうことだ。昔はこのベゼルが数センチもあったので、合わせると2cm〜8cmものラインが出来てしまった。1枚の画像を映すとかなりのズレが発生してしまい。ビジュアル優先のコンテンツでは、液晶ディスプレイのマルチディスプレイは敬遠されたものだ。最近はこのベゼルが数ミリの薄型になってきたので、ラインも目立たなくなり、低コストで導入できる液晶ディスプレイのマルチディスプレイも普及が進んでいる。デジタルサイネージでもマルチディスプレイのコンテンツは増えてきている。

 単純にディスプレイのそのものの技術ではないが、ベゼルを最小限に抑えることにより、ディスプレイもシャープでスタイリッシュになってくる。解像度や輝度のアップだけではなく、ディスプレイに関わる全ての技術は、デジタルサイネージをより良い方向に進めてくれるありがたい存在である。将来的にはベゼルレス・ディスプレイを生み出す技術が開発されれば、LEDディスプレイと肩を並べるマルチディスプレイとなることは間違いない。

  マルチディスプレイのサービスや比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「マルチディスプレイのデジタルサイネージ」を御覧ください。

October 13rd, 2021 Toyosaki’s blog

No.217 マルチディスプレイの最新技術

No.218 小型ディスプレイは進化している

No.218 小型ディスプレイは進化している

 デジタルサイネージは中型から大型のディスプレイを店頭などに設置して、通行人の目を引く広告のイメージがあるが、実は、タブレットや小型のディスプレイもデジタルサイネージとしてのメリットは多くある。小型ディスプレイのメリットの一番は、安価であることだ。7インチクラスのディスプレイなら5千円から購入できる。もちろん、再生機能はシンプルで、読み込んだコンテンツをループ再生できる程度だが、使い方次第では効果を発揮するデジタルサイネージなのである。

 小型のディスプレイは、主にPOP、デジタルメニュー、デジタルカタログなどで導入が進んでいるが、価格面と利便性から、大型のデジタルサイネージに引けを取らない効果がある。小型ディスプレイの技術も年々進歩して、小型なのにiPhoneのように高解像度であったり、小型なのに再生機能が機能であったりと、小型ディスプレイを開発・製造しているメーカーの技術革新に驚かされることもある。デジタルサイネージのボトルネックである大型で重たいディスプレイ、買い替えや設置の移動など潰しが効かない部分が、軽量の小型ディスプレイの用途は今後も増えていくであろう。

  小型デジタルサイネージの比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「タブレットや小型のデジタルサイネージ」を御覧ください。

October 14th, 2021 Toyosaki’s blog


No.219 STBの技術開発

 デジタルサイネージのコンテンツ配信で利用されているSTB(セットトップボックス)やメディアプレーヤーも次々と新製品が販売されている。主流はHDから4Kに移りつつあるが、4Kだとそれなりにデータ量もあるので圧縮技術や再生技術もスペックを上げなくてはいけない。また、外付けなのでコンパクト化することも求められてくる。小さな箱に多くの技術を詰め込むことが当たり前の世の中なので、開発者たちにも小型化への苦労が常に付きまとう。

 まあ、そう言ってもアップルのiPhoneが登場した時から世界は大きく変わり、近い将来には、スマートフォンそれ自体がSTBやメディアプレーヤーの代用として使われることになるであろう。iPhoneで4K動画を再生し、ワイヤレスでテレビに送信。4Kテレビがコンテンツを映し出す日も近いことだろう。私としてはiPhoneに高解像度のモニター機能を付けてくれたら、撮影時のモニタリングが楽でいいなと随分前から思っている。Mac Book Proも然りで、モニター機能を付けたら便利だ。ビデオキャプチャー機能を足すだけなのでそんなに大変な事ではないと思えるのだが、実現していないということは、それなりにハードルも高いのであろう。

  STBやメディアプレーヤーの比較は、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「オススメのSTBやメディアプレーヤー」を御覧ください。

October 16th, 2021 Toyosaki’s blog

No.219 STBの技術開発

No.220 デジタルサイネージのソフト開発

No.220 デジタルサイネージのソフト開発

 デジタルサイネージの中にはコンテンツ制作ができる簡易ソフトが付いているモデルがある。複数のテンプレートや背景画像、デザインタイトルなどを選択してコンテンツを制作できるが、正直に言ってしまえば、おまけレベルのソフトが多い。デジタルサイネージを販売している業者の多くは、コンテンツ制作をサポートできない。なので、こういった簡易ソフトが付いているのでコンテンツ制作も簡単ですと言って製品を売り込むのだ。

 しかし、細かな調整ができなかったり、付属の素材のクオリティーが低かったりで、ソフトの使用を辞めてしまうという。結局はPCを使って、写真画像編集ソフトや映像編集ソフトで作業するハメになるのだが、多少でも触ったことのない人には、これはこれで、ハードルが高い。最終的にはコンテンツ制作をデザイン会社や映像制作会社に外注するか、経費が負担になってコンテンツの更新を怠ってしまいデジタルサイネージが機能しなくなってしまう。

 この問題を解決するのは、付属の簡易ソフトのレベルを上げるか、安くてクオリティーの高いコンテンツを買うかしかない。前者はあまり期待できない。デジタルサイネージの開発者はハードの開発がメインで、ソフトの開発にまで経費を掛けない傾向にある。日本の大手のデジタルサイネージのメーカーですら、良いソフトを提供できていない。であるならば、安くてクオリティーの高いコンテンツを探さなくてはならない。私がこのサイトを立ち上げたきっかけは、そんなデジタルサイネージを価値的に利用できていない小さなお店の声を聞いたからである。

  自作でデジタルサイネージのコンテンツ制作に挑戦したい方にオススメするソフトは、デジタルサイネージ・ディスプレイの比較「コンテンツ作成のソフトとアプリ」を、自作コンテンツ制作の基礎知識は、「自作に挑戦!デジタルサイネージの作り方」を参考にしてください。

October 17th, 2021 Toyosaki’s blog


No.248 超解像技術で画像を高画質にできるVanceAIとは?

みなさん画像が低画質で困った経験ってないでしょうか?
とっさに撮影しようと思った時に低画質で撮影するものしかなかったり、意図せず低画質で撮影してしまったり。その他古い画像で低画質のものしかないということもあると思います。そんな時にもし画像解像度を上げることができれば、思い出の写真や広告ホームページに必要な画像を良い状態で見たり、使ったりすることができますよね。勿論もともと低画質な画像を高画質にするなんて無理に思えますが、AIを使った超解像技術を使えば可能なんです。元の画像の写りや画質にもよりますが、超高画質画像に変換してしまうこともできてしまいます。そんな超解像技術を簡単に扱えるVanceAIというWebツールがあります。そこでVanceAIがどのような機能を持つのか、どのようなことができるのか、解説してみたいと思います。

■VanceAIについて 
VanceAIはAI技術を用いることで、あらゆる画像修正や加工を可能にするWEBツールです。特に先述のような画像を高画質にする超解像技術などに秀でています。

■VanceAI超解像とは
VanceAIの超解像は、様々な低画質画像を高画質・超高画質画像に変換することが可能なAIウェブツールです。それらを可能にしているのがAIを駆使した機械学習になります。私達人間は多少の低画質な画像であれば、現実にはどのように見えていたか想像することができると思います。AIによる機械学習では、低画質のものと高画質のもの両方を見せ、それを途方もなく膨大なパターンで学習させます。それによって私達人間と同じように低画質画像から高画質なものをイメージできるようにしているわけです。加えて私達は高画質なイメージができてもそれを画面上に再現できません。写実的な絵を書くのと同じ作業が必要だからです。AIでは細かい作業を何万回も行うことは造作でもないため、それも可能となり、結果として画像の解像度を上げることができるわけです。

■VanceAIの主な機能
VanceAIでは先述のAIスーパーHDに加え、AI顔レタッチやAI夜景加工、AI写真修復と着色など、AIを駆使した高度な画像加工や修復が行なえます。

■VanceAI画像拡大の使い方
それでは超解像技術を駆使した、VanceAI画像拡大の使い方を解説します。使い方はとっても簡単です。
手順1:VanceAIのページへアクセスし、「AIスーパーHD」を選択
手順2:開いたワークスペース画面上で高解像度化したい画像をドラッグアンドドロップするか、メニューからの選択で画像をアップロード。
その後処理を開始ボタンを押せば高解像度化されます。その他ぼやけているのであればAI 画像鮮明化、ノイズが多ければAI ノイズ除去なども駆使するとより高画質に仕上がります。

■AI超解像ツールは無料なのでしょうか?
サイズ制限ありで、月3ポイントまでなら無料トライアルが可能です。より高画質にしたい場合やそれ以上の画像を処理したい場合、有料プランへの入会がオススメです。

詳細はこちら:Vance AI 画像加工|AIで写真と画像加工を加速させるSaaSソリューション
みなさん、一度その機能を試してみてはいかがでしょうか。

December 14th, 2021 Toyosaki’s blog

No.248 超解像技術で画像を高画質にできるVanceAIとは?

No.253 3Dファントムのクリスマス・イルミネーション

No.253 3Dファントムのクリスマス・イルミネーション

 クリスマスの時期になると日本中で一斉に始まるイルミネーション。毎年「○万個のLEDイルミネーション合戦」が繰り広げられ、年々エスカレートしていく。以前にもブログで書いたが、私はこのイルミネーションがあまり好きではない。もっと美しい「満天の星」や「百万ドルの夜景」、「Fホタルの幻想的なツリー」や「霧氷」など、多くの美しいものに触れてきたからである。しかし、イルミネーションが嫌いだからといって、決して「イルミネーションのお仕事」を受けないわけではない。

 今年は、東京駅前にある「丸ビル」「TOKYO TORCH Park」「丸の内オアゾ」「丸の内ブリックスクエア」の4箇所での同時展開である「Marunouchi Bright Christmas 2021【ハリー・ホッター】魔法ワールドからの贈り物」に携わられて頂いた。『ハリー・ポッターと賢者の石』が映画公開20周年を迎えたことにより、丸の内エリアを訪れるすべての人たちに、幻想的な魔法ワールドの世界観で表現されたツリーやイルミネーションとともに魔法の贈り物と笑顔を届ける事がテーマであった。

 クリスマス・イルミネーションは基本的にはクリスマスツリーとLED電飾による造作が多い。マッピングや情報発信的な「映像制作」はこれまでも多くあったが、映像が主役となるようなクリスマス・イルミネーションは無かったと思う。今回はメインエリアである「丸ビル」の高さ9mのクリスマスツリーに、最新技術の特殊なデジタルサイネージである「3Dファントム」を数十台使用して「クリスマスツリーに魔法を掛ける」演出である。「3Dファントム」はLED内臓の棒状プロペラを回転することで映像が浮き上がるシステムである。回転しない時には普通のクリスマスツリーだが、回転するとツリーの周りに「浮遊するロウソク」や「魔法動物」などの魔法ワールドが浮かび上がる。25日までの開催なので、仕事帰りに立ち寄って見ていただけたらありがたい。そして、みなさまにとって良いクリスマスでありますように。Joyeux Noël !

December 23nd, 2021 Toyosaki’s blog


No.257 デジタルサイネージのセキュリティー

 近年、世界的な規模でランサムウェアの脅威が広まっている。不正かつ有害な操作を行うソフトウェアやプログラムの総称だ。ランサムウェアとは、「Ransom(身代金)」と「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語で、攻撃者は、復元する代わりに身代金を要求する。海外で多数の種類が出現し、身代金を支払わなければ、データを公開すると脅す手口もみられる。ランサムウェアはマルウェアの一種として考えられる。代表的なマルウェアに「トロイの木馬」「ワーム」「バックドア」「スパイウェア」「キーロガー」などがある。まったくもって迷惑で悪質なデジタル時代の負の財産である。

 ランサムウェアは闇ビジネスとして発達し、現在は仕組み化されつつもある。そのため、標的も大企業だけにとどまらず被害が広がっている。特に近年問題化されているのが、医療機関への攻撃である。救急搬送の受け入れや手術の停止、外来診療の制限などの被害が出ている。これはコロナ渦にあって大きな脅威となっている。日本でも2021年には少なくとも11の病院が被害にあっている。厚生労働省は発生件数を公表しておらず、ほかにも被害があるとみられる。警視庁が発表した「令和3年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2021年の上半期だけで61件にも登っている。企業への攻撃とは違い、直接「命」に関わることなので、今後は医療機関の医療機関対策には、国が予算をつけて守らなければならないと思う。

 デジタルサイネージもコンピュータのひとつとして「セキュリティー」を考えていかなくてはならない。マルウェアはパソコン内の動作状況などのデータをC&Cサーバーへ転送するといった不正も働くので、クラウドシステムや、ネットワークシステムなどに感染する可能性もあるからだ。ランサムウェアの主な感染経路はWebサイトやメールだが、広告やSNSを経由させるものも存在し、近年、その手法は巧妙化の一途をたどり悪質なものが増加している。私のPCにも、毎日多くの迷惑メールや詐欺メールが届いている。うっかりクリックしていまいそうな巧妙な手口も多くある。マルウェアが無くなる事はないので、セキュリティーソフトの導入やパスワードポリシーの徹底などで対策をしなくてはならない。ウィルスの戦いはコロナだけで十分であるが、サイバーセキュリティーの技術も常に最先端でなくては、これからのデジタル時代は常に恐怖と背中わせで進んでいくしかい。

December 29th, 2021 Toyosaki’s blog

No.257 デジタルサイネージのセキュリティー

No.281 デジタルサイネージの「LEDビジョン」ページを追加

No.281 デジタルサイネージの「LEDビジョン」ページを追加

 デジタルサイネージの最新技術は加速している。特に目をみはる技術開発は「LEDビジョン」である。LEDは自発光するので輝度が高く、耐久性にも優れているので、屋外の大型広告サイネージには最適である。日本でもビルの壁面に設置された大型LEDビジョンを目をする事が増えてきた。海外などは、ビルの壁面全をLEDビジョンで覆っているビルも少なくない。こうなると巨大なビル自体がデジタルサイネージになってしまう。街の景観が損ねられるという問題を規制する国と規制しない国で、LEDビジョンの普及も変わってくだろう。

 ピクトパスカルのデジタルサイネージのコンテンツ制作も「LEDビジョン」の制作が増えてきている。元々は小規模店舗向けのコンテンツを激安で提供することが目的であったが、コロナの影響もあり、小規模店舗も経営自体が苦しく、広告に予算も回す余裕が無いのが現状だ。大型LEDビジョンのコンテンツ制作はありがたい案件である。デジタルサイネージの中でも「LEDビジョン」をメインに販売している会社も増えてきている。そこで、ピクトパスカルの「デジタルサイネージの比較」に「LEDビジョンの比較」ページを追加した。LEDビジョンのコンテンツ制作につながればよいのだが。

April 16th, 2022 Toyosaki’s blog


No.282 デジタルサイネージの「ショールーム」ページを追加

 デジタルサイネージには多くの最新技術が詰まっている。今ではAI機能やカメラ付きサイネージ、高精密LEDなど、多くテクノロジーがあるので、実際に実機を確認してから購入するに越したことはない。最近では、デジタルサイネージを販売している会社は自社にショールムを構え、実機に触れられるサービスを展開している。私も仕事柄、何社かのショールムを訪れたことがある。確かに実機を実際に見なければ分からない事も多くあるが、残念なことは、デジタルサイネージの技術や綺麗さを表現できているコンテンツが少ないことである。

デジタルサイネージの「ショールーム」ページも「デジタルサイネージの比較」に追加したので、興味のある方は覗いてほしい。私が制作したショールム用のコンテンツを配信している会社もある。今後ショールームが増えれば、ショールム用のコンテンツ制作もこれからは増えてくるのであろう。何社かとコンソーシアムを結んで安定化を図ることも事業としては大切なことである。レギュラーを持たず、営業はせず、30年もやってこられた時代は終わろうとしている。まさに時代の転換期にデジタルサイネージの役割が問われているような気がしてならない。

April 17th, 2022 Toyosaki’s blog

No.282 デジタルサイネージの「ショールーム」ページを追加

No.298 HDRとHLGの映像技術

No.298 HDRとHLGの映像技術

 HDRという新たなデジタル技術の言葉が誕生してから数年が経つ。HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べて、より広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる表示技術を指す。一般的なSDR映像では日陰が黒つぶれしたり日向が白飛びしたりするが、HDR映像では明るい部分と暗い部分どちらの階調も犠牲にすることなく、より自然でリアルな描写が可能となっている。映像の画質を左右する要素には以下の5つがある。解像度、ビット深度、フレームレート、色域、輝度(ダイナミックレンジ)である。

 HDRは次世代の高画質技術として注目されており、Netflixをはじめとする動画配信サービスやUHD Blu-rayでは、すでにHDRで作成されたコンテンツの配信が始まっている。一言にHDRといっても実は、大きく分けて2種類の方式がある。それが「PQ方式」と「HLG方式」だ。放送にも、いずれHDR化の波がやってくる。放送でもっとも重要なのは、従来のHDR非対応受像機(HDR非対のデレビやモニター)でも問題なく表示できる互換性である。そうした特性を踏まえ、NHKと英BBCが生み出したのが「HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)」方式の技術である。

 これ以上の専門解説は、確かなデータが必要となってくるので、このブログで立ち入らない。個々に最新情報を検索してほしい。言いたかったのは、HDRという最新技術が、撮影方法から配信するディスプレイの種類まで変えてしまう、やっかいな技術と言うことだ。ただ綺麗な映像を探求して出来あがった技術ではあるが、HDRが今後のデジタルサイネージのコンテンツの方向性を分ける鍵を握っている。映像の美しさと、撮影や編集時のデータとの扱いやすさ、ディスプレイとの互換性など、HDRが定着するには、まだ数年掛かりそうである。

August 11th, 2022 Toyosaki’s blog


No.299 デジタルサイネージを8Kで撮影と編集

 世の中では、4Kのテレビやモニターが主流になってきたが、デジタルサイネージは未だHDが主流である。もちろん4Kのデジタルサイネージも多くなってはきたが、大型のディスプレイが多く、中型の多くはHDである。これはコンテンツ制作との関わり合いが大きいのか、表示するコンテンツ内容が、画像の高解像度度や美しさを必要としないデジタルサイネージが多く存在しているということにもつながる。

 更に映像技術は進み、次世代の8Kへの移行が始まっている。8Kは解像度が7680X4320ピクセル、約3300万画素で4Kの4倍のデータ量になる。写真ですら8Kの3300万画素で撮れるカメラは少ない。ましてや、動画撮影となると民生機のカメラでは現時点では数台しか市販されていない。当然8K解像度を持ったレンズの数も少なく高価である。

 撮影もさながら、編集に至ってはことさらである。4Kでのストレスのない編集すらままならないPC環境で、4倍のデータを扱うには、単純に4倍のスペックが必要になる。厳密にいえば、CPUやグラフィックスボード、メモリ、8Kモニターと、全に4倍のスペックが必要ではないが、かなりのモンスターマシーンにしなければ、8Kの動画編集は出来ないであろう。

 私の所にも8Kでの制作依頼の相談がくるが、撮影の場合、まず予算が合わずに消えてしまう。そもそも8Kテレビで鑑賞できる環境がまだ揃ってはいないのだ。しかし、イベントの現場は8K映像が主流になってくると感じている。大きなイベントの場合の多くは、モノターをLEDパネルで組み上げる。LEDであれば、8Kの解像度を作ることは簡単な事である。8Kでの撮影ができない場合は4Kの画像をアップコンバートしたり、CGと組み合わせたりと更に複雑かつ時間のかかる作業となる。

 デジタルサイネージも街頭ビジョンなどの大型LEDでは8K制作も当たり前になるであろうが、まだまだ主流は4Kでいくであろう。もちろん8Kの画像は美しい。しかし8Kが定着したら、今度は16Kへと進むのが人類の歴史である。4Kの16倍となる撮影や編集を行うような時代には、私はフィルムカメラを片手に、のんびりと旅をしていたいものだ。

August 13th, 2022 Toyosaki’s blog

No.299 デジタルサイネージを8Kで撮影と編集