デジタルサイネージの最新デジタル技術

デジタルサイネージに詰まっている多くの最新デジタル技術

デジタルサイネージは通常のモニター・ディスプレイにメディア・プレーヤーや
配信プログラミングソフト、ネットワーク機能など、最新の映像技術がいっぱい詰まっている。
デジタルサイネージ単体でも、充分にデジタル技術の固まりである。
そこに通信技術や、AI技術、ディスプレイ開発の技術などが発展しながら進化を続けていく。


日々進化する最新の技術や製品などを様々な角度から考えてみる

ここでは近年開発されたテクノロジー、インタラクティブやタッチパネル、ARやAIなど、
すでにデジタルサイネージに採用されている最新技術、今後採用される最新技術など、
デジタルサイネージにまつわる新たなテクノロジーの可能性を探っていく。

市販されているディスプレイは「デジタルサイネージの比較と購入のポイント」を参考にしてほしい。


ブログ#026 最新の通信技術「5G」

 最近5Gという言葉を多く聞くようになった。新たな通信テクノロジーの名称である。5Gの「G」とはGeneration=世代の略で、つまり5Gとは“第5世代“を意味し、より正確には「第5世代移動通信システム」となる。当然これまで1G(1985年開始)から現行の4G(2015年開始)まで様々な歴史があるが、この5Gが飛躍的な進化を遂げるらしい。

 5Gの特徴は大きく3点。1つめは速度で、現行の4Gの20倍から200倍というから超高速だ。2時間以上の映画が数秒でダウンロードできるという。4Kや8kの高画質映像もリアル配信できる。2つめは,多数同時接続でこれも10倍になる。専門的なことは省くが、今で言うと10万人に同時配信していたネット中継が100万人に配信できるようになる。今はテレワークやネット会議・ネット飲み会など、インターネット回線がパンクして繋がらない事が多くなって来ている。この状況がしばらくは続く見込みなので5Gはありがたいことでもある。3つめは超低遅延である。「遅延」とは通信回線により画像表示の遅れである。5Gになればコンサートのライブ配信なども体感レベルで感じなくなると言う。超低遅延は車の自動運転や遠隔医療の分野での活躍が期待されている。エンターテイメントでも5Gを利用した演奏なども流行りそうだ。

 簡単に5Gの可能性を書いたが、すでに世界では5Gを導入している国も多くある。日本でも2020年春頃から5Gのサービスが開始される予定である。この5Gというテクノロジーの可能性は、もちろんデジタルサイネージのコンテンツ配信にも役立つことは間違いないだろうし、映像関係のデータは重いので送信時間が短縮できることはありがたい。しまし今は、新型コロナ・ウイルスの拡散を止め、収束に向かうツールとして、そして医療の最前線でウイルスと戦い続けている医療関係者の負担が少しでも軽減出来る事を最優先に使われることを切に望む。

May 2nd, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#028 デジタルサイネージとAR技術

 ARのテクノロジーが脚光を浴びたのは数年前になるが、最近ではAIに押されて影が薄くなっている気もするが、まだまだ可能性のあるテクノロジーである。AR(Augmented Reality)とは「拡張現実」と呼び、実在する様々な情報にデジタル化された架空の情報をプラスした状態を意味する。デジタル化された情報というのは、動画、静止画、文字情報、音声などが代表的だ。これに対しAIとは簡単言えば人工知能だ。AIの詳細については後日書こうと思う。ARの成功した代表的なプロジェクトは2016年に流行したスマートフォンのGPSとカメラ機能とを活用したAR型のゲーム「ポケモンGO」であろう。私の回りでも老若男女と問わずはまっていた。ちなみに私はやっていない。

 そしてデジタルサイネージにもAR技術は採用されている。それまでの動画や画像の表示のみだったデジタルサイネージにAR技術を取り入れられることで、より多くの人の注目を集め集客や販促の効果が上がってきているというデータもある。たとえば、アパレル関係でカメラがつけられたモニター画面の前に立つだけで、選んだ服の試着ができるデジタルサイネージ。着物やドレスなど、試着に時間がかかる衣類であっても画面の前に立つだけでイメージがわかるので、ブライダルサービスなどにも導入されている。また、インタラクティブなデジタルサイネージも登場しており、モニターディスプレイの前で身体を動かすことで、顔認識、行動認識といった技術を利用し、映像の中の人間の動きに合わせて何らかの映像をリンクさせ、まるで自分が映像を動かしているような錯覚を与える。このようなデジタルサイネージはテーマパークやショッピングモールのエントランスなどで、話題作りや集約に効果があるだろう。ARを取り入れることで、デジタルサイネージはより一層、人々の興味や関心をひくものになっていくことだろう。

 今後は、匂いや質感といった情報を持つAR技術など日進月歩の勢いで発展しており、AR技術を取り入れることで、デジタルサイネージはより一層、人々の興味や関心をひくアイテムになっていくことであろう。ピクトパスカルでもARを導入したデジタルサイネージのコンテンツを制作する技術はあるのだが、時間とお金がないので今は着手しない。大企業が出資してくれるなら話は別だが期待はしていない。

May 15th, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#029 デジタルサイネージとAIテクノロジー

 今、注目を集めている最新のテクノロジーであるAI(Artificial Intelligence)とは、人間の認知や行動、判断の一部をソフトウェアが分析して人工的に再現したものをいう。多くの情報から学び、新たな情報入力に順応することを蓄積して、まるで人間が行うように柔軟かつ、最適な振る舞いを高効率に実現できるという。では、このAIをデジタルサイネージに導入したらどんな事が可能になるのだろうか。今まではプログラムベースで表示していたコンテンツを、人間の属性(人間が持つ情報)に応じて変化するコンテンツ、データ解析による新たなコンテンツの発信、音声認識によるコミュニケーションなど、今までにないデジタルサイネージのあり方を創造することが出来るはずだ。テクノロジー的には「キャプチャリング」「セグメンテーション」「オートメーション」の大きく3つに分かれている。

 キャプチャリングは視覚センサーで、デジタルサイネージを見ている人や店のウインドのカメラなので、店に入る時に自動的に性別、年齢、感情などをキャプチャリングして、データベース化していく技術だ。セグメンテーションは様々なセンサーにより集められた情報を、決められたルールに則ってAIが自動的にセグメントし、ターゲットに合わせて行動する技術で、様々な分野に応じて、顧客ごとに適すると思われる的確な情報を提供することが可能になる。オートメーションはAIで個々の見込み顧客が持つ価値を予測し、その価値に準じて点数化することで、ユーザーの意志に沿った情報や改善点の提案などが行えるという。具体的にはセンサーで年齢・性別を自動判定し、セグメントされた広告を動的に表示する。受付のデジタルサイネージでお客様の顔を認識・認証を行う。監視カメラの映像を認識分析し、不審者の検出を行う。表情分析により表示されているコンテンツへの人間の反応をデータ化する。超音波やミリ波センサーの情報を活用し、AIによる自動制御・交通予測などを行う。複数台のデジタルサイネージの情報、Beacon等の情報、お店のリアルタイム空席情報等から得られるデータを解析し、複数のお客様にとって訴求力のあるコンテンツを提供することができる。ディスプレイに向かって話しかけると、音声での対話を可能とする。話された言葉はどの国の言葉かを自動判定し、その国の言葉に変換してコンテンツを表示することがでるなど、デジタルサイネージの可能性は大きく広がる。しかし私の持論だが、どんなにテクノロジーが発展しようと人にとって有意義なコンテンツを配信しなければ意味はない。技術を生かすも殺すも作り手の人間性が全てである事は、これからの時代も変わらないであろう。

May 22th, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#054 デジタルサイネージ用有機ELディスプレイ

 先日、有機ELディスプレイを開発しているメーカー様からお誘いを受けて、開発中のディスプレイのデモと、有機ELディスプレイを活用した新たな空間創出の可能性を討議させて頂いた。今、一般のディスプレイの主流は「液晶パネル」である。液晶パネルはLEDなどの「バックライト」から光を放出し、「液晶」で明るさを調整。調整された光が「RBGのカラーフィルター」を通ることで映像が表示される。

 特徴としては、映像が明るく、色々なサイズのモニターを生産しやすい。課題としてはバックライトの光漏れによる黒の表現と、パーツが多いため薄型化と軽量化に限界がある。それに比べて「有機ELパネル」は「自発行方式」で、発光材料にジアミン、アントラセン、金属錯体などの有機物を使用するらしい。私にはまったく未知の世界であるが、特徴としては、1画素ごとに明るさを調整できるので、「完全な黒」を表現できる事と構造が単純なので薄型化と軽量化が可能となる。見せて頂いた24インチの有機ELディスプレイは厚みが6mmで重さは489gであったのには驚かされた。そして画質面だが、ディスプレイのクオリティーを決める要素は大きく3つで、「コントラスト比」「色域」「対応速度」である。「コントラスト比」はモニターの輝度(明るさ)を表し、「500:1」など、白(最高輝度)と黒(最小輝度)の輝度比で表示される。液晶ディスプレイが1000:1なのに対し、有機ELディスプレイは、1.000.000:1。何と1000倍である。「色域」は人間の目で認識可能な色の範囲の中で、さらに特定の色の範囲を定めたものだ。これはちょっと複雑なので、簡単には説明できないが、 有機雄ELは液晶よりも約1.2近い「高色域」を表示させることが出来る。そして「対応速度」。これも簡単に言うと、液晶パネルの各画素の表示切り替え速度を示し、通常は「黒→白→黒」の表示時間を「応答速度」として、単位はms(1000分の1秒)で表している。一般には数値が小さいほど、映像の切り替えが早く、残像の少ない鮮明な映像になる。液晶ディディスプレイの最速クラスは1msや2msが存在する。そして、有機雄ELは、なんと0.1msである。

 以上の3点から比較しても、有機雄ELディスプレイのクオリティーの高さは実証済みだ、難点はただ一つ「高価」な事だけである。そしてこの素晴らしいディスプレイを使った空間創出であるが、すみません。企業秘密なのでここでは書けません。ただ今回この機会を頂いて思ったことは、日本のディスプレイ開発のテクノロジーの高さである。完全国内生産で製造する事も含め、以前「世界の亀山」と称されたシャープの液晶を超える、新たなブランドが誕生したと言っても過言ではないであろう。私としても、この素晴らしいディスプレイに負けない映像コンテンツを制作しなければ、ディスプレイに申し訳ない。長かった梅雨も明けたことだし、夏の太陽の全身に浴びながら、生ビールでも飲んで考えてみたい。

August 2nd, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#057 デジタルサイネージのHDR技術

 最近定着してきた映像技術に「HDR」がある。HDRとは、High Dynamic Range(ハイ・ダイナミック・レンジ)の略称で、従来のSDR(スタンダード・ダイナミック・レンジ)に比べて、明るさの幅(ダイナミックレンジ)をより広く表現できる映像技術だ。簡単に説明すると、日陰が「黒つぶれ」したり、日向が「白飛び」せずに、暗い部分から明るい部分までの階調を、より自然でリアルな再現が可能になってくる。今ではスマホのカメラでもHDR撮影を選択出来るほど普及してきたし、テレビやPCディスプレイ、そしてデジタルサイネージもHDR対応の製品が続々と登場している。今後、映像の新たな基準として注目されているため、我々、映像制作サイドも当然このHDRの技術を探求していかなくてはならない。

 HDRの高画質をささえる要素は大きく5つで、「解像度=映像のきめ細やかさ」「ビット深度=色やグラデーションのきめ細やかさ」「フレームレート=動きの滑らかさ」「色域=色彩の鮮やかさ」「輝度=映像の明るさ」である。最後の「輝度」以外は4Kや8Kなどの放送規格である「BT.2020」ですでに標準化されているが、「輝度」は明確な基準が無く、長い間100cd/m2が業界基準として使われてきた。このため、これまでの映像制作では、高輝度部分はモニター・ディスプレイの特性に合わせて圧縮する必要があり、現実の幅の広いダイナミックスの表現は厳しかったのである。5つの要素のそれそれの解説はたまの機会にして、今回は「輝度」に焦点をあててみたい。「

 輝度」とは映像が表現できる明るさの範囲である。人間の目が知覚できる明るさの範囲は、夜空の10の-6乗から太陽光まで10の6乗までの10の12乗と言われている。従来のディスプレイ・モニターは10の3乗位までしか表示が出来なかったが、HDRはダイナミックスレンジを広げることで10の5乗までの表示がかのうとなる。10の2乗の差なので、100倍の陰影を映し出せることになる。素晴らしい技術なのだが、HDR撮影できちんと100倍の陰影を撮影し、陰影100倍のHDRコンテンツを完成させて、はじめてHDRモニターで再現されるのであるから、制作サイドは大変である。HDR撮影の技術は、まだまだ確立されていないし、HDRの編集作業をサポートできるモニターも高価で数少ない。しかしHDRや8Kの登場で、動画映像が、ますます紙焼き写真や絵画に近づくに違いない。展覧会の絵が動き出す日も、そう遠くはないかもしれない。

August 11th, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#058 可能性を広げるフィルム・ディスプレイ

 先日お邪魔した、有機ELディスプレイを開発しているメーカー様の製品の中で、私が注目しているテクノロジーがフィルム・ディスプレイである。厚さはなんと0.1mm。フィルム状なので、かなり小さなアールに加工できる。すでに車のダッシュボードのインストルメントパネル、通称「インパネ」での開発も進められている。今まで、アール状に加工が可能なディスプレイはLEDパネルがほとんどであった。LEDは発光輝度が高いので、屋外の大型ディスプレイなどで力を発揮している。しかし大きな問題は、LEDのドットとピッチである。1点のLEDが大きい事と、1点1点の距離を短くする技術が難しいため、どうしても大型になってしまう。私の知る限り2020年現在での最高精細ピッチは0.95mmである。このピッチで4K(3840 Pixel×2160Pixel)ディスプレイを組むと、165インチで342kgとなる。通常言われている最高精細ピッチが3mmなので、これの3倍なるのだからコンパクト化は、まず無理であろう。近くで見る、とまるで電光掲示板だ。その点、フィルム・ディスプレイは小型化と軽量化できるので、その可能性は大きい。

 デジタルサイネージのディスプレイの設置で、よく問題になるのが、元々ある美しい景観(内装や外装)を、サイネージのスタンドや筐体が壊してしまう事だ。せっかくのインテリアが台無しになる場合がある。フィルム・ディスプレイはこの問題を解決できる可能性を秘めている。特に私が「空間デザイン」を考える時の大きなポイントはディスプレイの規格である。これは大きさではなく、16/9という比率である。この16/9というテレビ規格が、映像制作の可能性を縛っているのだ。みなさんご存じのように、HD規格の前のSD規格は4/3であった。写真や映画用の両方で広く使われている35mmフィルムの規格は3/2である。写真の紙焼きも用紙サイズによって微妙に縦横比が違う。絵画のキャンバスにも様々なサイズが存在する。これらは、表現したい目的によって、自ら選択出来る、創作作業のひとつなのである。空間デザインを考える時には、やはりその空間に適した規格を考えなくてはいけない。

 現在は16/9以外のディスプレイも幾つか存在するが、まだまだ種類か少ない。有機ELフィルム・ディスプレイが自由な比率に対応したら、素晴らしい効果が期待できるであろう。映像信号を流すという点では、そう簡単な事ではないと思っているが、近い将来、日本のテクノロジーで本当に自由な映像キャンバスが誕生したら、空間デザイン、空間演出は大きく開花するに違いない。

August 14th, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#062 デジタルサイネージも8Kへ向かうのか

 早いもので9月に入り、今年も残り4ヶ月となった。未だにコロナは収束せず、総理は職を辞し、キャベツは高い。本来、今年の東京オリンピックで注目を集めるはずであった8K放送も先延ばしになってしまった。デジタルサイネージのディスプレイは、まだHD(1920×1080ピクセル)が主流であろう。価格が安いのでデジタルサイネージを導入しやすいし、HDコンテンツも比較的出回っている。HDの次は4K(3840×2160ピクセル)になるのだが、同時に8K(7680×4320ピクセル)の技術も急速に発達している。地上デジタル配信も、2018年12月1日から、BS/110度CSを使った衛星放送で4K8K放送がスタートしている。たが、肝心の地デジの4K放送は変更なく現状のままで、今までどおりのハイビジョン(HD)放送が継続される。地デジ放送は、テレビ放送が中心となるので、高額な費用をかけずに誰でも視聴できるものでなければならない。ニュースはもちろん、天気予報、地震や津波といった災害情報などを多くの人に届ける公共の責任がある仮に、地デジ放送が4K放送に変わってしまうと、2011年のアナログ地上波放送の終了のときのように、すべての家庭でテレビを4Kに買い替える必要があり、大きな混乱が生じてしまうであろう。日本の映像メディアはその時のテレビ放送を中心に考えてきた経緯がある。地上波をHD放送に切り替えると言えば、HDディスプレイの開発と販売が加速する。4K放送も始めますと言えば、4Kディスプレイの開発と販売が加速する。

 現在、大画面のテレビは4Kが主流だが、地デジなどはテレビ側でHDを4倍にアップコンバートして表示しているだけで、4Kの性能は生かされていないのが現状だ。市販の映像コンテンツも、テープからDVDへ進化し、ブルーレイの誕生でHDもの収録も可能になった。2015年には4Kを収録できるディスク「4K Ultra HD ブルーレイ」も登場した。本来であれば今年開催される予定であった東京オリンピックで、4Kテレビの普及は加速したはずであった。東京オリンピックはすでに8Kでの収録も準備されていたのだ。オリンピックの臨場感や映画などは4Kで視聴したいと思うし、8Kなら更にリアルな映像となるであろう。しかしバラエティー番組やワイドショーなどはHDでも十分だと思ってします。これは単に好みでは無く、映像を制作する作業が格段に違うからである。収録データ量にしても、編集のレンダリングにしても、単純に4KならHDの4倍。8KならHDの16倍になる。

 ピクトパスカルのデジタルサイネージ用コンテンツも、サイトオープン当時から4Kを見据えての制作をしてきた。近い将来4Kが主流になるのは明らかであったので、全てのコンテンツ4Kで制作し、HDはダウンコンバートしている。4Kでの制作に踏み切ったのは、カメラの4K撮影やPCでの4K編集が可能になってきたからであった。それでも、まだまだストレスのないスピードには達していない。テレビの8K放送はさておき、デジタルサイネージの世界では8Kコンテンツは非常に有効だと思っている。HDRの技術なども加えたら今まで表現できなかった世界が可能になるであろう。唯一デメリットもある。コンテンツの細部までのディテールも表現されてしまう事だ。ドラマで言えば、大道具や小道具、衣装やメイクなども鮮明に写ってしまう。SDからHDに移行したときも、女優さんのシミ・シワがはっきりと映り、修正専門のスタッフが必要になった。これが8Kになったらと思うとぞっとしてしまう。技術の発展は素晴らしいことだが、技術者の探究心はたまに暴走する時がある。技術的に可能だからといって、「16Kテレビへ移行します」などとは、私が現役でいる間は耳にしたくない。

September 3rd, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#065 シースルー・ディスプレイの技術

 新しいデジタルサイネージの広告戦略として注目されてきたのが「シースルー・ディスプレイ」だ。文字通り映像を映さない状態では透明になる特殊なテクノロジーを使用したでディスプレイである。実際に飾られた商品と映像が重なり合う効果があり、日本ではシャープが実用化に向けて開発を進め、昨年行われたアジア最大級のIT技術とエレクトロニクスの展示会「CEATEC 2019」で注目を集めた。同じような発想で数年前から実際に使用されてきた物に「フィルム・スクリーン」があった。ガラスに透明フィルムのスクリーンを貼り付け、そのスクリーンにプロジェクターで映像を投影するシステムであった。私も何度がコンテンツ制作に携わったが、やはり映像の鮮明度が足りなく、思ったような効果は得られなかった。

 それに変わって「シースルー・ディスプレイ」は液晶ディスプレイを使用している。通常の液晶ディスプレイは液晶パネルの背面に「バックライト」と呼ばれる発光体があり、その光が液晶を通過して映像として映し出される。シースルー・ディスプレイの場合は、この「バックライト」を取り外し、ショーウインドの中に仕込まれたLEDを拡散させて、バックライトの代わり役割を果たしている。タイプも高品質の映像表示を可能とする映像重視と、透過性能を向上させ、奥のものがよりクリアに見える透過重視の2タイプがある。ではこのシースルー・ディスプレイのコンテンツ制作はどうあるべきか。もちろん、どんな商品が飾られるかによって映像表現も大きく変わってくるが、主役の商品が飾れている以上、映像は脇役に徹することになるであろう。単純に商品の価値を膨らますイメージ映像だったり、商品の機能を説明する映像が考えられる。また商品ではなく、単なる装飾としての利用も効果があるだろう。例えば、綺麗なフラワー・アレンジメントを飾り、その花の花弁が宙を舞っているような幻想的なショーウインドも魅力的だ。

 しかし、実はこのシースルー・ディスプレイは昔からあったのだ。オペラで使われる「紗幕」が、まさにシースルー・ディスプレイの効果を狙った演出手法であった。「紗幕」とは舞台で使われる幕のひとつで、紗のような薄手の生地で作った幕である。幕の内側の役者や大道具にその後方から照明を照らすと幕に透けて映し出され、幕の前方から照明を照らすと幕には映らない。この効果を利用した舞台演出も多く見てきた。色も黒紗と白紗があり、目的によって使用される。白紗に全面からプロジェクターで映像を投影し、映像が終わった所で、舞台上の証明が入り、演技が始まるなどが効果的であった。舞台演出が出身の私にとって、シースルー・ディスプレイは紗幕そのものである。そう考えると、結局はアナログの良いところは、新たなテクノロジーでデジタル化されて生き残っているのかも知れない。ただ単な映像のみのデジタルサイネージよりも、アナログとコラボするシースルー・ディスプレは以外に流行るかも知れないと私は思っている。

September 10th, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#069 ミラー・ディスプレイの技術

 鏡とディスプレイの両方の機能を持ったミラー・ディスプレイ。デジタルサイネージのディスプレイとしても、ミラー・ディスプレイは使用されている。実際にミラー・ディスプレイのコンテンツ制作はしたことがないが、こうしてブログを書くことによってシュミレーションできることも悪くはない。もともと鏡は不思議な力を持っている。英語の「MIROR」の言語はラテン語の「MISARI」で「驚く」「不思議」「見つめる」からきたもので、その不思議な力を物語っている。鏡の始まりは「水鏡」だと考えられている。古代の人々は水面に自らの姿を映していた。金属製の鏡が誕生し起源は明らかではないが、金属器時代(紀元前3000年〜2000年頃)のオリエント地域で初められたと考えられている。現存する金属鏡で最も古いものは、エジプトの第6王朝(紀元前2800年)の鏡で、銅を主体とした合金で銅鏡とも呼ばれている。日本の金属鏡は弥生時代の前期に中国から伝来したもので、顔や姿を映すというよりは、太陽の光を反射する神秘的な道具として祭祀や魔除けなどの儀式に用いられたり、権力の象徴として珍重されていた。天皇家が受け継いできた「三種の神器」にも「八咫鏡(やたのかがみ)」が入っている。ガラス製の鏡は14世紀にイタリアのベニスで発明され、日本に伝えたのはフランシスコ・ザビエルであった。現在のような鏡が開発されたのは19世紀になったからで、基本的な製造方法は今も変わっていない。そして、鏡の特性を利用した様々な発明が世の中を変えていったのである。その発明のひとつが「反射望遠鏡」である。その後、天体望遠鏡と発展を遂げ、天文学が確立されていく。また、一般的な平面鏡に対して凹面鏡は、入ってきた平行光線を集めることができ、凸面鏡は光を拡散する性質を持っている。ヘッドライトやカーブミラーが一番の例であろう。

 ではミラー・ディスプレイのコンテンツを考える場合に、まずミラー・ディスプレイの特性を知らなければならない。現状のミラー・ディスプレイは大きく2つに分かれる。ひとつはディスプレイにミラーやハーフミラーのフィルムを貼り付けて効果を出す方法で、簡単で安価、そしてスピーディーな導入が可能だ。もう一つは光を透過する特殊なミラーパネルによって鏡の映り込みと映像を完全に分けて空間を創造するタイプである。モニターフレームを鏡で覆うので見た目も美しく、高級感がある。どちらも、映像を映した時に自身の映り込みもあるので、自身の映り込みを利用したコンテンツになるであろう。例えばアパレルショップの姿見をミラー・ディスプレイのデジタルサイネージで代用し、映っている自身に様々な服を重ね合わせる「デジタル・ファッション・カタログ」だ。効果的に使えば話題になるかも知れない。

 コンテンツ制作で注意したいのがミラー用のコンテンツに仕上げることであろう。映り込みを利用するのであれば、なるべく背景は黒にして、映り込みと映像が綺麗に融合することがポイントとなる。また、融合させないのであれば、明るい色をコラージュして、映り込みの存在を消すコンテンツにしなければならない。大切なことは珍しいディスプレイを使っていることではなく、ミラー・ディスプレイの「鏡」の不思議な力を引き出すコンテンツでなくてはならない。女性に「シンデレラ」になった気分を味わってもらうのか、「魔女」なってもらい反感を買うのか?いずれにしても鏡は、綺麗に変身した自分を褒めてくれる女性にとって大切なアイテムである。コンテンツを制作する時には、女性の意見やアイデアを取り入れることが鍵かもしれない。

October 5th, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#070 ウィズ・コロナのデジタルサイネージ

 先月9月24、25日に開催された、マンションの設計・施工や修繕、管理に役立つソリューションが一堂に介する専門展「マンションビジネス総合展2020」で面白いデジタルサイネージが披露された。Wiz社が販売するNETDOOR製の感染症拡大防止デジタルサイネージ「D-Sign series Clean」である。このデジタルサイネージ、なんと検温の機能と消毒液の自動噴射を備えているという。検温は、人が正面に立つと、搭載した高性能赤外線IRセンサーが体表温を測定し、結果はディスプレイに表示される。消毒液は本体下部のスペースに利用者が両手を差し込むことで放出される。

 また、オプションとして顔認証のAIシステムを組み込め、従業員の勤怠や入退室、健康の管理も行えるというスグレモノ。決してクリエイティブでは無いし、新しいテクノロジーの無いけれど、こうしたアイデアもウィズ・コロナだからこそ生まれた知恵であろう。もともと医療関係では早い段階からデジタルサイネージの導入を試みており、医療現場の負担を少しでも軽くして患者のサポートに充てるという考え方が根本にあるのであろう。

 この他にも、感染防止対策を表示したり、スペースをとって座れる座席表を表示したりするなど、ウィズ・コロナをテーマにしたコンテンツも増えてきた。ピクトパスカルも初期の段階から無料の感染防止コンテンツを考えてきたが、タイミングが掴めないまま時が過ぎている。思ったことは直ぐに行動に起こせる軽いフットワークが可欠してきているのだ。はやりタイミングとスピード感がこの時代を切り抜けるポイントだと改めて教えられた気がする。

October 12th, 2020 Toyosaki’s blog


ブログ#093 両面ディスプレイのデジタルサイネージ

 デジタルサイネージには両面仕様の特殊なディスプレイがある。種類は大きく2つに別れ、自立型と釣り型である。ディスプレイの構造上、自立の両面ディスプレイは、単純に2つのディスプレイを抱き合わせれば可能だが、厚みも膨らみ、荷重もかなり重たくなってしまう。それに比べ釣り型の両面ディスプレイは、最初から一体型で2つの画面を抱き合わせているので、スリムで軽量化がはかれている。よりスリムにするためには有機ELパネルなどの最新技術が最も有効である。

 昨年行われるはずであった東京2020オリンピック開催期間中のスポンサー・パビリオンで、この両面ディスプレイを使用したデジタルサイネージのコンテンツをプランニングしていた。パビリオンはオリンピックの協賛が出展するブースで、私がプランを出していたのが大手スポンサーのひとつであったカメラメーカーであった。ワイド50mの大型ブースに、60台の両面ディスプレイを天井から吊るして、2ヶ月間、毎日、1時間毎にコンテンツが更新されるシステムだ。もちろんこのプランは東京2020の延期で頓挫したままだが、もしコロナを克服して、本年オリンピックが開催されたとしても、もはや復活することはないであろう。香港の俳優の個展でも、この両面ディスプレイの企画が持ち上がったが、実現しなかった。理由はコストとプログラムが複雑かつ管理が大変なことである。いつか実現させたい企画であるが、しばらくは辛抱する時期が続くのであろう。一日も早く、人が自由に集まって、ハグできる社会を取り戻したいものである。

January 21th, 2021 Toyosaki’s blog


ブログ#096 タッチパネルのデジタルサイネージ

 近頃、私の住んでいる街のコンビニの支払いが、タッチパネル式のレジに変わってきている。コロナの影響で、店員とのお金のやり取りでの接触を避けるためか、一気に加速して導入が進んでいく気がする。タッチパネルで支払い方法法を選択し、現金なら硬貨と紙幣を挿入。スマホのアプリならバーコード決済と、少し戸惑ってしまう。今ではスマホやパッドなどの普及で、タッチパネルを持ち歩く時代であるから、これからも、あらゆる「ボタン」がタッチパネルに変わってしまうのかもしれない。デジタルサイネージもタッチパネルを使用したディスプレイも多く設置されている。主にはインフォメーションや情報提供であるが、最近はそのままチケット購入などの、決済システムなどの最新技術が導入されたサイネージも登場してきている。

 デジタル世代の若い人は「便利」と感じるかもしれないが、還暦前の私でさえ「不便」と感じることが少なくない。ショッピングセンターでデジタルサイネージを使って場所を検索するよりも、インフォメーションコーナーに行って、綺麗なお姉さんに聞いたほうが、遥かに早く気分が良い。全てがデジタル、全てが自動化、全てが無人化を進めれば、コロナが無かったとしても、「ソーシャル・ディスタンス」が進む。今、必要なのは「フィジカル・ディスタンス」であると唱える人もいる。感染リスクの距離はとっても、心は寄り添うというものであろう。タッチパネルのデジタルサイネージでも、3回大きな間違いをしたら「操作が難しいようでしたら、案内所へお尋ねください」とか親切なコメントが出て、案内所までのルートを表示してはどうであろうか?最新のテクノロジィーやシステム、コンテンツを制作した側の押しつけで、操作する人を困られては本末転倒であろう。人に優しいタッチパネルのデジタルサイネージ開発に取組でほしいし、そういうコンテンツの開発なら喜んで参加したいと思う。

January 27th, 2021 Toyosaki’s blog


ブログ#106 世界最高輝度の最新プロジェクター

 プロジェクターを使用した映像投写やマッピングもデジタルサイネージとして分類される場合がある。私もマッピングや大型イベントなどで多くの業務用プロジャクターを使用してきた。私が知る限り最も輝度があるプロジェクターは、パナソニックの業務用4Kプロジェクター「PT-RQ50KJ」である。輝度は50,000lmで世界最高であろう。光源には青色と赤色のレーザー光源を採用し、複数の波長を最適制御する広色域化技術によって、従来比114%の色再現に対応している。3枚DLP方式で、素子サイズは1.38型(アスペクト比17:9)。解像度は4,096×2,160の4Kデジタルシネマサイズ。コントラスト比は20,000:1と、最新テクノロジーと集結したプロジェクターである。プロジェクションマッピングを初めとするプロジェクターを使用した空間演出の価値を高めるためには、高解像度、高い視認性、またコンテンツを制作するクリエーターの意図通りに、映像を忠実に表現する色再現性が求められる。

 しかし、私は今まで一度もこのプロジェクターを使ったことがない。新しい機材であることと、やはりコロナの影響で大きなイベントそのものが、この一年間皆無であったからだ。ところが4月の末に横浜アリーナで行われる大型イベントで、このプロジェクターを使うことになったのである。横浜アリーナの会場を横使いにしてステージを組み、長さ55m高さ12mの巨大スクリーンに投影するプランだ。3台のプロジェクターで3面のブレンディングという試みは、まずないであろう。実はこのイベント、昨年の4月に行われるはずであったのだが、コロナで頓挫していた。今年は最悪、無観客でもライブ配信するという約束のもと、55mスクリーンのプランを構築してきた。しかし先日、またもや中止に。プランに費やしてきた作業への報酬は無い。これはもう日本のビジネススタイルの問題である。海外では必ず報酬や保証がある。日本もビジネススタイルを変えなければ、エンターテイメントの未来は暗い。だが、私は嘆かない。いつか必ず、この50,000lmの世界最高輝度のプロジェクターを使ったデジタルサイネージを作ってみせるという希望を持って進んで行こう。

February 27th, 2021 Toyosaki’s blog


ブログ#118 AI EXPO 2021とコンパニオン

 4月の7日から9日の3日間、東京ビックサイト青海展示棟で「AI EXPO2021」が開催された。久しぶりに展示会が開催され2日間現地に行ってきた。勿論お仕事である。AI EXPO(人工知能展)は2017年からスタートした、新しい展示会である。私が担当したのは、中国のトップ企業のひとつである「HUAWEI」のブースで、最先端のテクノロジーが詰まっていた。日本よりも数年先を行っている感覚であったが、AIの導入で益々デジタル化される世界は、アナログ派の私には少し着いていけないスピードを感じた。

 AIテクノロジーはデジタルサイネージにも、積極的に採用されている分野で、特にWebカメラを使用したインタラクティブなデジタルサイネージはすでに生産されている。コロナ渦なこともあってフィジカル・ディスタンスの距離や体温などを瞬時に表示できる人工知能サイネージなども出展されていた。駐車場をカメラが監視して空きスペースを教えてくれたり、手書きで書いた文字や図形を、フォントやベクターデータに変換したりと、益々人間の仕事が減っていく現実を突きつけられてもいる。

 そんな中で、少しだけほっとさせてくれたのが「コンパニオン」の存在であった。展示会といえば、綺麗なコンパニオン目当てで会場を訪れるカメラ小僧も少なくない。「綺麗なお姉さんは好きですか?」と聞かれれば、私は素直に「はい」と答えるが、決してコンパニオンの写真を撮りに展示会に行くことはない。しかし、今回は「お仕事」である。クライアントの依頼で、仕方なくコンパニオンの映像も撮らなくてはいけない。そして当然感染防止対策として、マスクの上に更にフェイスシールドも着用してのアテンドだ。マスクはともかくフェイスシールドは照明の映り込みが激しい。

 コンパニオンの魅力は「笑顔」だ。「笑顔」を創り出す表情は「目」と「口」である。口をふさがれたコンパニオンは、「目」だけで「笑顔」を創らなくてはいけないのである。カメラを向けるたびに、この子はマスクを外したらどんな笑顔なのだろうか?この子の唇はどんな形なのだろうか?と良からぬ想像?妄想?を抑えきれない撮影になってしまった。マスクを着けたコンパニオンの魅力を引き出すことができたかはさておいて、何かしっくりとこない撮影現場になってしまった気がする。でも、AIテクノロジーがいくら発展しても、コンパニオンをロボットにするほど人間は愚かではない。しかし、そう思っているのはこの会場で私ひとりだけかもしれない。

April 9th, 2021 Toyosaki’s blog ctt_118_companion


ブログ#151 デジタルサイネージとDX

 近年、様々な業種や分野で「DX」への取り組みが推奨されてきた。DX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)とは、進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと「変革(トランスフォーメーション)」させるという概念のことで、DX自体に特別な意味があるわけではない。日本でも経済産業省が推奨するなどして、DXへの注目が集まっている。今年開催されたIT系の展示会などの講演のテーマに「DX」の文字が多く見られた。

 DXと聞くと難しそうに感じるが、ITの進化によって作られたデジタルシステムをみると、結構昔から私たちの身近なものが変化していることが分かる。 例えば、銀行口座の開設から取引までオンライン上で行えるインターネットバンキングや、映画や新幹線などのチケットをオンライン上で購入できるシステム、アマゾンや楽天市場などのネットショップなどもDXといってよい。

 DXの定義は、主に3つある。1つ目はデジタルトランスフォーメーションで、スウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏が2004年に提唱した概念で、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」が挙げられている。

 2つ目が、デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションで、マイケル・ウェイド氏らによって、2010年代に提唱された概念で、「デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること」と定義している。

 そして3つ目が、2018年に経済産業省が公表したDXの定義で、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と具体的に提唱されている。

 そう考えていくと、デジタルサイネージは「DX」そのもので、広告、情報発信、エンターテイメントなど様々な分野に「変革(トランスフォーメーション)」を起こしてきた。しかし社会も企業も含めたDX推進として、一貫性のあるITシステムを構築や、IT人財の確保と育成など、多くの課題も見えてくる。「DX」の推進は現代社会に必要だが、単なるデジタル化では意味が無い。新たなDX社会をより良い未来にするのも、推進をする人々の「人間性」にかかっていると感じる。

July 7th, 2021 Toyosaki’s blog


ブログ#174 SONYの空間再現ディスプレイの技術

 SONYの裸眼で視聴できる高精細空間再現ディスプレイ( Spatial Reality Display )は、革新的なテクノロジーが詰まっているディスプレイだ。その特徴をいくつか挙げておこう。

①視線認識技術による立体映像体験
特別な3D用メガネやヘッドセットなどの機器を装着する必要は無く、ソニー独自の視線認識技術によって、目の位置を常に検出し、左右それぞれの目に最適な映像を生成する。裸眼でも、クリアで色鮮やかな立体視体験を2.1chのサウンドとともに実現している。

②空間そのものを立体で目の前に再現する
ディスプレイの奥へと続く、いつまでも眺めていたくなる別世界を表現。作品が、まるでそこにあるかのように感じられる。

③リアルタイム映像生成アルゴリズム
高速・高精度のリアルタイムセンシング技術が、高速で見る人の瞳の位置を的確にとらえ、左右の目の位置に連動した映像をリアルタイムに生成する、独自のアルゴリズムを開発。これにより、常に両目に正しい視点映像が提示されるので、動体視差も再現し、目線の変化にも対応した立体視が可能になります。

 空間再現の技術がここまで進んできた事は素晴らしいことである。これでコンテンツ制作の幅が大きく広がるであろう。現在は4Kの15.6インチとまだまだ小さいディスプレイだが、これが大きなディスプレイに発展していったら面白い事になるであろう。実は先日、SONYのショールームで配信する、「Spatial Reality Display」のデジタルサイネージを制作させて頂いたのであった。

August 19th, 2021 Toyosaki’s blog