第一巻 デジタルサイネージの歴史と展望

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第一巻,デジタルサイネージの歴史と展望

第一巻では、デジタルサイネージとはどんなものなのか?
どのように誕生し、
市場に普及していったのか?
また、これからどのような発展を遂げていくのか?
我々の身近になったデジタルサイネージの「歴史と展望」の虎の巻です。

デジタルサイネージが登場する以前の広告媒体

 デジタルサイネージに触れる前にデジタルサイネージの登場以前に普及していた広告媒体のメリット、デメリットを考えてみましょう。ここでは「看板」としての役目をしてきた「看板」「立て看板」「ポスター」「のぼり」「バナー」です。制作費は数十万から数千円と大きな幅がありますが、集客効果、宣伝効果を上げるための、広告宣伝費として多くの広告が作られてきました。


■看板のメリットは一度制作すれば、長期で使用出来る。大きな看板は視認性が高い。

デメリットは、制作費、工事費など高額な初期費用がかかる。情報量に制限がある。


■立て看板のメリットは、初期費用が安い、長期で使用出来る。情報の交換が可能。

デメリットは、あまり目立たない。毎日の設置作業がある。情報の変更が手間。


■ポスターのメリットは、手軽に制作できる。詳細な情報を掲載できる。他の媒体と併用して宣伝できる。張り出しや撤去が簡易。

デメリットは、目立たない。劣化する。その都度制作が必要。


■のぼり旗のメリットは、手軽。制作費が安い。簡易に他の場所へ移動できる。

デメリットは、毎日の設置・撤去作業がある。雨風の時は使用出来ない場合がある。


■バナーのメリットは、手軽に制作できる。制作費が安い。デザイン性を高められる。

デメリットは、交換が面倒。劣化が激しい。目立たない。


 それぞれの媒体でも目的によっては効果を出せる使い方はあります。デジタルサイネージにも当然デメリットはありますが、ここまで普及するには相当のメリットがあったはずです。デジタルサイネージのメリットについては第三巻でご紹介しますが、デジタルサイネージを導入する前に、今一度、これまでの広告媒体を見直すのも良いかもしれません。

デジタルサイネージとは
デジタルサイネージが登場する以前の広告媒体

デジタルサイネージの歴史
デジタルサイネージはファッションショーから始まった

デジタルサイネージの歴史

デジタルサイネージのはじまり

 デジタルサイネージは1970年代後半のアメリカで初めて登場しました。アパレルショップが店頭に設置したテレビモニターにファッションショーの映像を流したことが始まりと言われています。日本では、1980年の新宿に「新宿アルタビジョン」という大型ビジョンが登場します。新宿駅前に登場した大型ディスプレイは、多くの関心と視線を歩行者から集め話題になりました。当時はまだ「デジタルサイネージ」という名前ではなく、「ビデオサイン」とか「街頭ビジョン」と呼ばれていました。

デジタルサイネージの普及

 今わたしたちが昨今目にする「デジタルサイネージ」が普及し始めたのは、2000年に入ってからの事です。初期の事例として有名なのは、みなさん知っているJR東日本のトレインチャンネルです。電車内のデジタルサイネージによる情報発信は、今では当たり前に活用されています。当時はスマートフォンが普及しておらず、電車に乗っている時間を狙ったデジタルサイネージは大成功を収めました。
 「トレインチャンネル」の売上を順調にのばしたJR東日本は、2008年頃には駅構内でのデジタルサイネージ設置を開始しました。当初「5駅で40数台」 程度だったが、約10年の間に「61駅で約500台」にまで拡大しました。電車や駅の構内という、公共性も利用頻度も高い場所で、多くの人がデジタルサイネージを身近なものとして認識する機会になったのです。JR以外の私鉄でもデジタルサイネージの普及は急速に進み、2018年頃から急速に整備を進めたホームでの落下事故防止の安全扉にもディスプレイを設置してデジタルサイネージの導入が始まりました。

デジタルサイネージの現在

 また、街中でデジタルサイネージが目立ち始めたのは、海外ファッションブランドのウインドで展開したデジタルサイネージです。縦型のディスプレイの特性を生かしてブランドの最新ファッションショーの映像を映したのです。ポスターやマネキンでは数点の服しか展示できませんが、デジタルサイネージを利用すれば数十点もの最新ファッションを発信できることで大きな話題になったのです。
 そして、液晶ディスプレイの登場でデジタルサイネージの普及は一気に加速します。厚みが薄く軽量なことから簡単に設置出来る事も普及への大きな要因となり、小さなモニターを店舗内の各コーナーに設置し新製品の宣伝をしたり、商品の説明映像を流すなどの運用が広まり、今日の普及まで拡大してきたのです。


デジタルサイネージの広告市場と展望

デジタルサイネージの市場予測

 ディスプレイの低価格化やデジタル映像技術の発達に後押しされ、デジタルサイネージ市場はここ数年で大きく拡大し、街中のいたる所にデジタルサイネージが登場してきました。総務省の資料によると、デジタルサイネージの市場拡大規模この5年で約20〜30倍近くにもなるとの予測が出たほどです。特にチェーン店ではない小規模店舗のデジタルサイネージの導入や運用が伸びているのが特徴です。

 市場拡大の後押しをしているのが、2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックです。政府のICT化促進アクションプランでも、緊急時の災害情報の一斉送信、スマホとの連携による情報入手、公共性の高い場所でのパブリックビューイングなどの役割が大いに期待されています。

デジタルサイネージの展望

 東京オリンピック・パラリンピックでは、デジタルサイネージは、インタラクティブな情報ツール、多言語対応ツール、パブリックビューイングや緊急時の情報配信ツールとして効果を発揮し活躍する事でしょう。

 大きな可能性を秘めたデジタルサイネージですので、当然ディスプレイやビデオプレイヤーを扱う大手電機メーカー、海外メーカーなどは早期に参入し、すでに市場には多くのサイネージ用ディスプレイが溢れています。小規模小売店などで使用される屋内用の小型ディスプレイは数万円で買え、中にはコンテンツを簡単に作成できるアプリなどもインストール済みで動画、静止画、Webなど自分でプログラムして複雑なコンテンツ配信も可能にしています。
 屋外用の大型ビジョンでも数年前と比べると価格もかなり下がっており購入を視野に入れている企業も少なくありません。またネットワークと使用した一括管理での情報発信も更に増えていくことでしょう。新たなディスプレイやモニターの開発、システム構築、コンテンツ制作やソフト開発等、最新のデジタル技術を持ってすれば急速に発展していくことは間違いありません。


 さらに2025年に開催される大阪万博へ向けて、関西地域での普及が加速化されることも予想されています。その後は日本の収容都市での普及は間違いなく、今後十年以上にわたり広告媒体や情報発信アイテムとして、デジタルサイネージが主力の存在となることは間違いないでしょう。

デジタルサイネージの展望
おもてなしはデジタルサイネージで