
第七巻 デジタルサイネージの種類とサイズ、パネルの解像度と規格
デジタルサイネージの基礎知識である種類やディスプレイのサイズ、
HDや4Kなどの解像度、パネルや種類・規格など、それぞれの特徴を解説します。
第七巻は、デジタルサイネージの種類やディスプレイの解像度とサイズ、
液晶、LED、有機ELなど、パネルの種類、ディスプレイの規格など、
我々の身近になったデジタルサイネージ・ディスプレイの基礎知識です。

デジタルサイネージの種類 | ディスプレイの種類 | ディスプレイの解像度 | デジタルサイネージのサイズ | パネルの種類 | ディスプレイの規格
デジタルサイネージの種類
【デジタルサイネージの設置による種類】
ディスプレイ・モニターの設置方法から「横型」と「縦型」。ディスプレイ・モニターの設置場所から「屋外用」と「屋内用」に分けることができます。
■デジタルサイネージ【横型or縦型】
■横型デジタルサイネージ
一般のディスプレイやテレビと同じ配置で、市販のDVDなど多くのコンテンツを流用できますが、デジタルサイネージとしての新鮮さはありません。発信する元情報がテレビのCMなどをベースに展開する場合は横型を選択した方が制作コストを削減できます。使わなくなったPCのモニターを利用することも可能ですのでデジタルサイネージの導入には適しています。
■縦型デジタルサイネージ
デジタルサイネージの普及で今では一般的な設置方法です。一般の横型コンテンツが使用出来ないデメリットもありますが、縦型でしか表現できないコンテンツの魅力で、一般のディスプレイとの差別化がはかれますし、縦型用のコンテンツを制作している映像会社も増えています。デジタルサイネージと言えば縦型をイメージする人の方が多いようです。
■屋外用デジタルサイネージ
集客や宣伝広告などサイネージの前を通る人に情報を発信するタイプです。屋内用に比べてモニターの輝度が高いLEDディスプレイを使用する必要があることや、雨天対策などで筐体の制作費用面から屋外用ディスプレイは高価になりがちです。
■屋内用デジタルサイネージ
店舗やその場所・空間に来た人に情報を発信するタイプです。ディスプレイも低価格で、情報発信だけではなく長時間のコンテンツの運用も可能です。ランニングコストも抑えられますのでデジタルサイネージの導入には適しています。


ディスプレイの種類
【ディスプレイの特徴による種類】
デジタルサイネージのディスプレイは、特徴や仕様、配信の目的などに合わせ、様々な種類のディスプレイがラインナップしています。
■屋内用ディスプレイ
屋内用デジタルサイネージはイーゼル型や壁掛け型など、狭い店舗でも大切なお店のスペースを最大限に活かせる中型ディスプレイが主流です。
■屋外用ディスプレイ
屋外用大型ディスプレイの一番の効果は、多くの人の目に触れることです。デジタルサイネージの訴求力も期待できます。
■タッチパネル式ディスプレイ
タッチパネル式のデジタルサイネージは、直接ほしい情報を選んでもらうことで、よりニーズに合った情報が提供できます。
■小型ディスプレイ
小型のデジタルサイネージは、商品説明映像や商品名と価格のみのPOPディスプレイとしての需要が高まってきています。
■マルチディスプレイ
マルチディスプレイとは複数台のディスプレイを連結して1台のディスプレイとして使用するシステムです。魅力は、なんと言っても活用の幅の広さです。
■LEDビジョン
LEDビジョンはマルチディスプレイと同じく複数台のモジュールを連結して1台の大画面として使用するシステムです。魅力は高輝度と形状の自由度です。
■ユニークな規格のディスプレイ
規格外サイズのディスプレイや特殊なディスプレイは、目的によっては通常のディスプレイより、遥かに効果的な場合もあります。
更に詳しいデジタルサイネージのディスプレイや周辺機器の種類と比較は、
「デジタルサイネージ・ディスプレイの比較と購入のポイント」を参考にしてください。
ディスプレイの解像度はHD・4K・8K
はじめにデジタルサイネージで使用する筐体をディスプレイと呼ぶかモニターと呼ぶかという素朴な疑問があります。実際にデジタルサイネージを販売手いるメーカーでも呼び方は様々です。ピクトパスカルの見解としては、情報を発信する用途は「ディスプレイ」。情報を監視する役目は「モニター」と解釈しています。コンテンツ制作で用いるPC用は「モニター」で、出来たコンテンツを配信するのは「ディスプレイ」としています。どちらにも、はっきりとした決まりはありませんが、ここでは「ディスプレイ」で話しを進めます。
■ディスプレイの解像度
ディスプレイの解像度は大きく分けてHDと4Kがあります。店内の小型ディスプレイなどの低解像度SD(720×480)などもありますが、これまでの主流はHDでした。しかし2019年頃から4Kのディスプレイの価格が下がったことから、4Kの大型のディスプレイが主流になりつつあります。
■HD (フルハイビジョン)解像度1080×1920(縦置)
現在の地上波で使用されているテレビモニターの一般解像度です。配信するコンテンツの内容にもよりますが、小型や20インチ〜42インチまでのディスプレイならHDでも充分に情報は伝えられる解像度です。
■4K (ウルトラハイビジョン)解像度2160×3840(縦置)
4Kは近い将来HDに変わって主流になると言われていてHDの4倍の解像度があります。小さなモニターでは効果は少ないですが、40インチを超えるモニターだと、その鮮明な画質の差は歴然です。また、絵画や写真等の芸術的なコンテンツを配信する場合には効果を発揮します。ただし4Kディスプレイを購入してもコンテンツが4Kの解像度でなければ意味はありません。コンテンツも4Kが主流になる時代はそう遠くはないはずです。
■8K (スーパーハイビジョン)解像度7680×4320(縦置)
そして、8Kディスプレイも登場してきました。2020年に開催予定であった東京オリンピックに合わせて開発が進んできましたが、オリンピック延期の影響で、8Kディスプレイの普及も伸び悩んでしまいました。2021年の開催でも、パブリック・ビューイングが中止となり、8Kディスプレイのオリンピック放映は見られませんでした。
今後の普及が期待されていますが、テレビ局の放送レベルの機材が必要とされるので、一般のコンテンツ制作が追いつかなくなるのが現状でしょう。もちろん画像は素晴らしいのですが、普段の生活の中では4Kでも充分に綺麗な解像度であることは間違いありません。


デジタルサイネージのサイズ(インチ・大きさ)
■デジタルサイネージのサイズによって用途が変わってきます。
最近では、新に設計建築されるビルや内装の改装でリニューアルオープンされる店舗など、設計時からマルチディスプレイ・システムを導入される店舗も増えてきています。ディスプレイのサイズも5インチ〜100インチ以上まで種類は豊富で、設置スペースに応じて選べる点もメリットです。
例えば店舗ならショーウィンドウには大型ディスプレイ、製品コーナーにはタブレットと使い分けることで、お客様の目に触れる情報を増やせます。サイズも大切ですが、解像度が低いと大きなディスプレイほど荒い画像になることも注意してください。
映像技術はハードもソフトも急速に発展しています。そして低価格販売の流れも加速する事でしょう。技術の進歩に合わせ、その都度買い換える選択もありですが、数年先を見越して4Kから導入する方も多いようです。また、会社であれば経費削減としてレンタルという選択もあります。最近ではモニター・ディスプレイの低価格化に伴い、長期リースや短期レンタルを行うサービスも増えてきているようです。
サイズごとに使われている用途
■小型デジタルサイネージ:5インチ~14インチ
小型デジタルサイネージは、POPの代わりに商品価格を掲示したり、展示商品の特徴や使用法などを説明するコンテンツで使われています。
■中型デジタルサイネージ:20インチ~42インチ
中型デジタルサイネージの用途は幅広く、広告から情報配信まで、小規模店舗や公共機関でも多くの使用されています。
■大型デジタルサイネージ:50インチ~80インチ
大型デジタルサイネージは空港のロビーやテーマパークなど、多くの人に情報を配信するために使われることが多いです。
■屋外LEDデジタルサイネージ:100インチ~500インチ
屋外LEDのデジタルサイネージはビルの壁面に設置されることが多く、主に広告の配信として使用されます。
液晶、LED、有機ELなど、パネルの種類
■ディスプレイのパネルの種類
デジタルサイネージのディスプレイは、大きくLEDビジョンと液晶ビジョンに分けられます。どちらを使うかは、設置場所の環境、屋外屋内で使い分けるのが好ましいでしょう。どちらもディスプレイとして使用されますが、ここでは内部構造から、LEDと液晶の機能面の違いを解説していきます。
■LEDパネル
LEDはアルミやカーボン素材の筐体表面にLEDモジュール(LED素子)がついていて、電源と映像信号を送って映像を表現をしています。
■液晶パネル
液晶はパネルのバックライトをカラーフィルターや偏光フィルターなど、何枚ものフィルターを通り光の量を調整し視覚化されます。バックライトの光源を何枚ものフィルターを通すのでLEDに比べると光の輝度が弱い特性があります。日中だと暗く見えることがあります。LEDは光源そのもので映像を表現しますので、外光に負けることなく映像を鮮明に表現する事が可能です。
また、LEDは1枚ずつモジュール化されているので、1枚としてでも1000枚を1面としてでも、様々なサイズや設置場所に対応できるといった点が違うところです。この特性を活かした例が大型コンサートです。コンサートでは何百枚ものLEDを自由な形、サイズに組上げて映像の演出をしているのです。これは液晶モニターでは実現できない、LEDビジョンの最大のメリットです。
■有機ELパネル
最近注目を集めている有機ELパネルは自発行方式で、発光材料にジアミン、アントラセン、金属錯体などの有機物を使用します、特徴としては、1画素ごとに明るさを調整できるので、「完全な黒」を表現できる事と構造が単純なので薄型化と軽量化が可能となります。特にコントラスト比が素晴らしく、液晶ディスプレイが1000:1なのに対し、有機ELディスプレイは、1.000.000:1と1000倍もあります。難点は、まだ高価なパネルなので、今後の低価格化を期待したいパネルです。
■その他の特殊ディスプレイ
その他、最新技術を使ったシースルー(透明)ディスプレイや、鏡の効果があるミラー・ディスプレイ、極薄のフィルム・ディスプレイ、両面ディスプレイ、3Dディスプレイなども販売されています。
特殊なディスプレイの比較や販売会社の情報は、
「ユニークなデジタルサイネージ用ディスプレイ」を参考にしてください。


ディスプレイの規格
■一般ディスプレイの規格
■アナログ時代の規格
ディスプレイ・モニターの規格は、テレビ放送と密着な関係があります。ブラウン管を使用したアナログ放送時代のテレビ規格は4:3でした。これはテレビ放送以前の映画のフィルム規格から発展したものです。テレビ以外のPCモニターなども4:3が主流でした。デジタル化が進んだ初期も、データはデジタルになり、液晶モニターも登場しますが規格は4:3がしばらく続いたのです。
■デジタル時代の規格
日本の地上デジタル放送(通称地デジ)は、2003年の12月1日に導入が開始され、2011年7月24日にアナログからの完全移行となりました。このときに変更したテレビ規格が16:9でした。このタイミングで液晶モニターの規格も16:9が主流になります。PCモニターは利便性から16:10の規格を使用したディスプレイも多くありましたが、テレビは16:9が定着し、デジタルサイネージのディスプレイの殆どが16:9の規格になったのです。
しかし、映像製作者の立場から言えば、この16:9が作品を創る上でベストなサイズではないと言う人もいます。みなさんご存知のように、映画は2:1以上のシネマスコープサイズですし、写真は3:2や4:3が主流です。
■新しい規格外ディスプレイの登場
最近デジタルサイネージに、規格外のディスプレイが登場してきました。ワイド・ディスプレイやウルトラワイド・ディスプレイです。このディスプレイは16:9のディスプレイを元に、1/2や1/3にセパレートしたのもで、今までになかった表現が可能となりました。真四角のスクエア・ディスプレイや円形のサークル・ディスプレイなども組み合わせた、新しいデジタルサイネージの演出が期待されています。
デジタルサイネージの種類とサイズ、
パネルの解像度と規格 まとめ
デジタルサイネージのディスプレイは年々種類が増えて、サイズも豊富になってきています。
大きなサイズがインパクトもあり、より効果的と思われがちですが、
配信する場所や目的によっては、小型や中型のディスプレイでも効果的な使用が可能です。
サイズだけではなく、解像度や輝度などの画質にも気を配りたいものです。
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